韓国野球のルネサンスを導いた“第一世代”は、次々とグラウンドを去っていくのだろうか。
韓国プロ野球が発足した年に生まれ、2000年代のKBOリーグを華やかに彩った1982年生まれのスター選手のうち、元千葉ロッテマリーンズのキム・テギュン(ハンファ・イーグルス)が最初に引退を宣言した。
キム・テギュンは10月21日、球団を通じて引退を発表した。彼は「チームの未来を導くことができる良い後輩が育っている。彼らに成長の環境を作るために引退を決めた。球団とファンからたくさんの愛をもらったが、お返しできないようで残念だ。チームの未来を考えたとき、私が引退する時期が来たと判断した」と伝えた。
キム・テギュンはKBOリーグ史上、選球眼が最も良い強打者と呼ばれた。特に投手基準で右側に作られる打球は、“打撃の教科書”という賛辞まで受けた。誰にも真似できないスイングと独特のリズムで、投手を相手にするキム・テギュンは、2001年にプロ入りしてぴったり20年の現役生活を終えた。
通算2014試合に出場し、2209安打、311本塁打、1358打点、1141四球という記録を残した。破壊力だけでなく、優れた選球眼で上手さも備えた打者として重宝された。キム・テギュンの通算打率は0.320で、出塁率は0.421だ。
2016年8月6日のNCダイノス戦から2017年6月3日のSKワイバーンズ戦まで、86試合連続出塁を達成し、日米韓のプロ野球における最多連続試合出塁記録として歴史に名を残した。
2006年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)をはじめ、2009年のWBC、2010年の広州アジア大会など、韓国代表としても大活躍した。韓国シリーズ優勝を1回も果たすことはできなかったが、選手として得られる栄光はほとんど享受したといっていいだろう。
キム・テギュンの活躍を振り返るとき、同い年のスター選手たちを無視することはできない。
所属球団だけでなく、国家代表としても韓国野球を導いた元ソフトバンクのイ・デホ(ロッテ・ジャイアンツ)、元阪神タイガースのオ・スンファン(サムスン・ライオンズ)、チョン・グンウ(LGツインズ)などは、いわゆる韓国野球のルネサンスを導いた“第一世代”と呼ばれた。
高校時代から世界の舞台で名前を知らせた同級生のなかには、高校卒業と同時にメジャーリーグに挑戦し、トップ選手となったチュ・シンス(テキサス・レンジャーズ)も含まれている。チュ・シンスは今季を最後にレンジャーズとの契約が終わり、フリーエージェント(FA)の資格を取得して新しい球団を探している。チュ・シンスがメジャーリーグに復帰できる可能性は五分五分だろう。
2014年から6シーズンも同じ釜の飯を食べたキム・テギュンの親友、チョン・グンウは今季、LGツインズのユニホームを着てポストシーズン出場を控えている。ただ後輩であるチョン・ジュヒョンにレギュラー二塁手の座を奪われ、後輩たちをバックアップする役割が増えている。
ロッテ・ジャイアンツの“象徴”となったイ・デホは、今シーズン打率0.292、19本塁打、104打点と相変わらずの技量を見せつけているが、チームの成績が期待を下回り苦心している。今シーズンを終えればFA資格を取得するだけに、彼の去就もシーズン後に関心を集めるはずだ。
韓国と日本、そしてアメリカでクローザーとして名を馳せたオ・スンファンも、後輩たちに劣らない技量でサムスンのマウンドを守っている。復帰は6月と遅れたが、これまでに18セーブ(3勝2敗2ホールド)を獲得し、健在であることを証明した。ただオ・スンファンもチームの成績が悪く、満足はできていない。
キム・テギュンの引退発表で、同い年のスター選手たちの今後にますます関心が集まりそうだ。
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