しかし、例えばアメリカMLBの場合、妻の出産や子息の入学・卒業など大事な家族行事がある場合は、選手に休暇を与えることが一般的だ。アメリカ文化の特長でもあるが、家族を優先する雰囲気が広がっているため、とても自然なことだとして受け止められている。
ただ、韓国ではまだ珍しいことだ。共同生活をする最中に家族行事などで個人行動をすることに否定的な見方もある。
ベント監督の今回の決定は、それまでの固定観念を壊し、同時に韓国代表に新しい文化を作るきっかけになるかもしれない。
ベント監督は家族愛が強い指導者として知られている。アジアカップが開かれているUAEにも、ベント監督の家族たちが試合を見るために訪問している。
もちろん、代表チームでは「チーム」こそ最も重要だが、選手たちにとっては家族も重要だ。以前のように、無条件的な統制よりも、日程的に可能で妥当な理由があるなら、代表招集期間でも一旦チームを離れたほうが選手団の雰囲気に悪影響を及ぼすことはないだろう。
ベント監督は今回のイ・チョンヨンの一時帰国を許可することで、新しい文化の始まりを世に知らしめた。これからも監督と選手たちがその疎通を通じて、これまでにはなかった“ベント号だけの文化”が定着することを期待したい。