「代表チームは“当然のように”来られる場所ではない…チームプレーが優先だ」
【写真】イ・ジョンヒョプ、“幸せいっぱい”ウェディングフォト
元湘南ベルマーレのイ・ジョンヒョプ(29・釜山アイパーク)のサッカー人生において、韓国代表での経験は彼に大きな転換をもたらしたといっていい。
2013年のプロデビュー以降、無名に近い選手生活を送っていたイ・ジョンヒョプは、2015年のアジアカップで当時のウリ・シュティーリケ監督から電撃的に抜てきされ、本大会で2ゴールを記録。チームプレーにおいても大きく貢献し、韓国の準優勝をけん引した。
イ・ジョンヒョプはこれまでAマッチで24試合に出場し、5ゴールを決めてきたが、すべてシュティーリケ監督時代に決めたものだ。
しかし、シュティーリケ監督の後任としてシン・テヨン監督が就任以降、イ・ジョンヒョプは数回招集されながらも定着まで至らず、代表離脱の危機もささやかれた。
だが、ビルドアップを重視し、運動量に優れたフォワードを好む現在のパウロ・ベント監督体制で、イ・ジョンヒョプは再びチャンスをつかみつつある。
昨年6月、イランとの親善試合でベント監督就任後初出場を果たした彼は、同年12月のE-1サッカー選手権では主力として活躍し、優勝も経験した。
また、所属チームでも釜山アイパークがKリーグ1(1部)に復帰した今シーズン、イ・ジョンヒョプはここまで19試合6ゴールと好調ぶりを見せている。
今回の招集では新型コロナウイルス感染症を考慮し、ソン・フンミン(28・トッテナム)やファン・ウィジョ(28・ボルドー)、ファン・ヒチャン(24・ライプツィヒ)ら欧州組は合流しなかった。
そのため、イ・ジョンヒョプがベント監督の信頼をつかむプレーを見せ、生涯初のワールドカップ本大会出場へとつなげられるかが、大きな関心事となっている。
イ・ジョンヒョプはU-23韓国代表とのスペシャルマッチを控えた10月8日、「プレッシャーを感じるよりも、監督が追求するサッカーをしようと準備している」と語った。
続けて、「ベント監督はビルドアップに重点を置いて準備をする。選手たちも瞬間瞬間で認知をし、努力している」とし、「今回は主力選手が多く入れ替わったが、皆良い選手たちだから上手くやれるはずだ」と付け加えた。
また、今回のA代表では、キム・ジヒョン(24・江原FC)が初招集。彼もまた、ベント監督下でシンデレラストーリーを夢見る選手の一人である。イ・ジョンヒョプも、5年前に自身がサプライズ招集されたときと同様の感覚を彼に感じているはずだ。
イ・ジョンヒョプはキム・ジヒョンについて、「Kリーグで見ていたから彼の長所が何かはよく知っている。(競争においても)自分自身、大きなモチベーションになっている。練習しながら学べる点は吸収し、シナジーを発揮できるようにしたい」と強調した。
また、ベント監督体制で未だ無得点なことについては、「やはりフォワードであれば毎試合でゴールを決めたい。だが、代表チームは当然のように来られる場所ではない。(ゴールも重要だが)チームプレーを優先したい」と、落ち着いた口ぶりで語った。
韓国A代表とU-23代表のスペシャルマッチ「2020ハナ銀行カップ」は、10月9日と12日に高陽総合運動場で2連戦で行われる。
前へ
次へ