かつて、これほど豪華だったことはあるだろうか。今シーズン、韓国プロバスケ(KBL)でプレーするNBA出身選手は7人にも達する。
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10月9日に開幕する2020-2021シーズンのKBLは、歴代最高級のプレーが繰り広げられるのではないかと期待の目が向けられている。
以前までは想像もしていなかったことだ。KBLのどのチームも海外のスター選手獲得を望んでいたが、当の本人たちは韓国への関心をまるで示さなかった。
バスケットボール界の中心はNBAだ。そのほか、欧州にも多くの名門チームが存在する。
欧州で活躍するNBA級選手の場合、年俸は300万ユーロ(約3億7000万円)に達する。その反面、今シーズンのKBL外国人選手の最高年俸額は50万ドル(約5300万円)程度だ。
韓国でプレーする外国人選手の大半は、欧州リーグでプレーするも全盛期が過ぎた選手や、アメリカで大学を卒業した後、欧州や中国リーグに進出できなかった選手が多い。そのため、NBA出身選手が見つめる先も、韓国ではなく欧州にあった。
しかし、新型コロナウイルス感染症が状況を大きく変えた。
Bリーグもそうだったように、KBLなど多くのプロバスケは昨シーズン、新型コロナの影響でシーズン途中の中止を余儀なくされた。
この過程で、欧州では年俸削減の事態も起きた。スポンサー収入で主に運営される欧州リーグにおいてシーズン中止は致命的であり、それが各チームの財政に打撃を与えた。
一方、KBLでは給与の支払いが透明性を担保されて行われる。KBLで長年プレーする外国人選手が多い理由もそこにある。年俸規模では欧州に及ばないかもしれないが、給与未払いのような事態は極めて珍しいケースだ。
韓国スポーツ界は、新型コロナの中でもプロリーグの門を開けた。プロ野球は台湾に次いで全世界2番にシーズンを開幕させ、プロサッカーも円滑に開幕を迎えた。
こうした潮流もあり、バスケットボール界でも多くのエージェントがKBLに視線を向けた。そして、KBLのチームは過去最大級のスター選手の獲得に成功した。
ソウル三星サンダースのアイザイア・ヒックス(26)にはじまり、仁川電子ランドエレファンツのヘンリー・シムズ(30)、蔚山現代モービスフィバスのショーン・ロング(27)、釜山KTソニックブームのマーカス・デリクソン(24)、安養KGC人参公社のアール・クラーク(32)、全州KCCイージスのタイラー・デイヴィス(23)、高陽オリオンズのジェフ・ウィジー(30)。この7人は全員、過去にNBAでプレーした経験のある選手たちだ。
また、昨シーズンからソウルSKナイツでプレーするジャミール・ウォーニー(26)を含めれば、今シーズンのKBLでプレーするNBA出身選手は計8人。彼らは、韓国が欧州に比べて新型コロナに上手く対処できており、プロスポーツも安定的に進行できている点を考慮して、韓国行きを選択した。
なかでも、ヒックスやデリクソン、デイビス、ロングらは、年齢を見ても身体的に全盛期を迎えている選手だ。
NBA時代にシックスマンとして活躍したクラークは、208cmの高身長にアウトサイドからのシュート、さらにはスピードまで兼ね備えたビッグマンとして、攻守において大きな存在となり得る。
堅守速攻を重視するKGC人参公社のチームカラーにも、上手く溶け込める可能性も高い。
仁川電子ランドのシムズも身体能力に優れており、攻守両面で活躍できる。ソフトなシュートタッチで、内外を問わず点数を決められるプレーヤーだ。
もちろん、過去のキャリアが成功を保障するわけではない。KBL特有のチームプレーに彼らがどれだけ早く適応できるか。それが活躍のポイントとなるだろう。
とはいえ、彼らのような優秀な選手がKBLの競技力を高めてくれることも明らかだ。
過去、ピート・マイケル(42)やドンタエ・ジョーンズ(45)が圧倒的な技量で韓国バスケファンの視線を捕らえたように、今シーズンは多くの元NBAプレーヤーが新たな見どころを提供してくれるはずだ。
歴代屈指の外国人選手がKBLに集結した中、最後にどのチームが勝利の笑みを浮かべるかを楽しみにしたい。
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