これはプレミアリーグの七不思議だろうか。
卓越したスキルでイングランド・プレミアリーグ(EPL)を席巻しているソン・フンミン(28・トッテナム)だが、超人的な回復力にも注目が集まっている。
【注目】長かった31年、無念の“あと2ゴール”の大台をソン・フンミンが達成
ソン・フンミンは9月27日(日本時間)のニューカッスル戦でハムストリング(太もも裏の筋肉)を痛め、少なくとも3週間以上の欠場が予想されていた。ジョゼ・モウリーニョ監督も「ソン・フンミンは10月のAマッチ後に復帰するだろう」と話していた。
しかし、負傷からわずか1週間後の10月5日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦に先発出場。負傷前と遜色ないスプリントと決定力を披露し、2ゴール1アシストでチームに6-1の大勝をもたらした。
ソン・フンミンは試合後、「僕のハムストリングに魔法がかかった」と述べ、自らも驚異的な回復力に驚きを隠せなかった。
ソン・フンミンの驚異的な回復力が見られたのは、今回が初めてではない。
ヨーロッパに上陸して間もない頃、ドイツ・ブンデスリーガ時代にもハムストリングを負傷したが、早々と回復してピッチに復帰したことがある。
脚だけではなく、腕の負傷でも不思議な回復を見せたことがある。昨シーズンの2月16日に行われたアストン・ヴィラ戦で、3年前に手術した右腕を再び骨折した。ところが、彼は痛みを感じる暇もなく、90分フルタイムを走り抜き、2ゴールを決める活躍で勝利に貢献した。
当時、世代別韓国代表の主治医だったジョン・テソク博士は「(過去の手術後)金属板を除去したとはいえ(我慢して)走り回ったのは驚くべきことだ」と述べた。
専門家の間では当初、折れた骨が完全にくっつくには、12週以上かかると想定していたが、腕の骨折から2カ月も経たないうちに克服し、4月には兵役の基礎軍事訓練まで消化した。
今回のハムストリングの負傷もソン・フンミンの言葉通り、魔法がかかったように解決した。専門家は今回のケガをどのように見ているのだろうか。
キム・ジンス医師(世宗スポーツ整形外科院長、韓国Kリーグ・ソウルイーランド主治医)は、「(医学的には)痛みは感じると思うが、MRIの結果で損傷がほとんどなかった。単純なハムストリングの捻挫と診断されることもあるため、1週間での復帰も可能だ」と語った。
キム・スンテク医師(盆唐ベスト病院院長、Kリーグ・城南FC主治医)も単純な捻挫の可能性に言及し、「ソン・フンミンのように経験豊富なトップクラスの選手は(ハムストリング負傷の)予兆を感じたら自然と力をセーブしている。負傷直後は痛みなどを感じるが、その後、早期に復帰することが可能だ。一方、経験の浅い選手は筋肉が破裂する限界まで走ることがある」と述べた。
キム・スンテク医師はソン・フンミンを12気筒エンジンに例えた。彼は「4気筒のうち、シリンダー1つだけに異常が生じても問題はない。一方で12気筒だと小さなズレがパフォーマンスに支障をきたす。ソン・フンミンクラスの選手なら、怪我を未然に防止するだけの十分な筋力を持っており、その身体能力と経験がマッチした結果が今回の早期復帰につながったとも解釈される」と強調した。
ハムストリングのケガは癖になることが多い。キム・ジンス医師は、「ソウルイーランドでも2年前に1人のプレイヤーがハムストリングを負傷した。MRI上では異常が見られなかったが、トレーニングや試合を重ねることで再発した事例がある。ノルディック運動のようなハムストリング負傷防止プログラムを受けることが重要だ」と語った。
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