昨年12月、イ・スンウが所属チームで大活躍したのが、ベント監督の心を掴んだように見えた。
しかし、ヴェローナでの活躍よりは、オフシーズンだった韓日中3カ国リーグのアタッカーたちのコンディションが100%ではなく、シーズン中のイ・スンウ以外に呼ぶ選手がいなかったという説明の方が合っているだろう。
ベント監督は16日、イギリスから6時間の飛行と2時間の移動を経て合流したソン・フンミン(トッテナム)を、“酷使論争”も気に留めず中国戦で起用した。
ということは、グループリーグ初戦と第2戦でイ・スンウに出場機会を与えなかったのは、彼に代表チームの戦術を身につけさせ、配慮するためではなく、最初から使うつもりがなかったと見るべきだ。
中国戦の交代カードでチ・ドンウォン(アウクスブルク)とチュ・セジョン(牙山ムグンファ)、ク・ジャチョルを連続投入したのは、「イ・スンウを1秒も使わない」と言っているようなものだ。
ベント監督の周辺では、「イ・スンウを一度使ってみなければならない」という意見が提起されたという。実戦に強く、決定力があるとの意見などが寄せられたらしい。
しかし、ベント監督の考えは確かだ。
今の状態では、アタッカー2~3人が相次いで負傷でもしない限り、イ・スンウはUAEで練習だけして帰ることになるだろう。
トーナメントでは、指導者はさらに保守的にチームを運営するしかない。脱落すれば家に帰ることになるからだ。
イ・スンウには、“国家代表の時間”が与えられないという意味だ。
代表チームへの突然の呼び出しは、イ・スンウの21歳の誕生日である6日行われた。ベント監督の“ラブコール”はプレゼントではなく、悪夢の始まりだったのかもしれない。