「アミノバイタル®」カップ2020第9回関東大学サッカートーナメント大会の準々決勝と準決勝が行われ、ファイナリストが決まった。
10月2日、「アミノバイタル®」カップ準々決勝が行われた。
まず関東2部リーグ所属の流通経済大学と、関東1部リーグ所属の桐蔭横浜大学の準々決勝が行われた。試合は前半6分、加藤千尋のゴールで流通経済大学が先制するも、前半9分に桐蔭横浜大学がスローインから松本幹太がワンツーで中に入り、左足で決めて同点にする。流通経済大学は後半5分、後半から出場した齊藤聖七が左サイドから中にドリブルして放ったシュートのこぼれ球を加藤千尋がつめて再度リード。試合終盤、桐蔭横浜大学が押し込みセットプレーで何度かチャンスを作るも、流通経済大学が逃げ切り、準決勝進出を決めた。
試合後、流通経済大学・中野雄二監督は試合を振り返り、「もっとプレッシャーを掛けられるイメージだったが、思っていたより体が切れていなかった。チーム全体として、90分通して圧倒するという目標を持っていたので、勝ったことはうれしいが合格点というわけにはいかない。1部の上位の桐蔭さんとの公式戦で、しっかり我々が目指していることをやれれば、それは自信にもなるし、本物になっていく。2部ではできたけど、1部相手じゃできないよねとは言われたくない。(2回戦の)駒澤さんは今日の桐蔭さんとはまったく違うタイプだが、そことやってもある程度自分たちがやるべきことができた。今日の桐蔭さんを相手にどんな結果を出せるかというのが、学生にとっても私たちにとっても、今の流経の力が本物だということを示せるかどうかだったので、そういうゲームをもっとやりたかったけど、物足りなさがあった」と、課題を挙げた。
続いて、関東2部リーグ所属の東洋大学と関東1部リーグ所属の法政大学の準々決勝が行われた。試合は、前半4分にコーナーキックから東洋大学が先制。後半16分、19分の連続得点で法政大学が逆転するも、後半42分に途中出場の佐々木銀士が右足を振り抜き同点ゴールを決め、試合は延長戦にもつれこむ。延長前半14分に佐々木銀士がループシュートで決勝点を決め、東洋大学が準決勝へと駒を進めた。
試合後、東洋大学・井上卓也監督は法政大学について、「個々のレベルが非常に高いので、個で勝負してしまうと難しいところがあるというのはわかっていた。チームとして全体の戦い方を徹底してやろうとした。前半は良いスタートを切れて、ある程度狙い通りだった。後半から(法政大学が)人を入れ替え、形をちょっと変えてきた。相手の時間の中で我慢しきれず、2失点した。これまでは2失点した後にガクンと落ちてしまったゲームが多かったが、そこから何とか同点に追いつこうというところを見せることができ、実際に追いつけた。チームとしての進歩、成長したところを見せることができた。90分であろうが、120分であろうが、PK戦であろうが、なんとか今日のゲームに勝ってベスト4にというのが一番の目的だったので、選手たちは非常によくやった」と評価した。
準々決勝から中一日の10月4日、「アミノバイタル®」カップ準決勝と順位決定戦が行われた。
関東2部リーグ所属同士の対戦となった日本大学と流通経済大学の準決勝は、前半6分に近藤友喜が右足を振り抜きゴールを決め、日本大学が先制。すると流通経済大学は前半20分、丸山優太朗の右コーナーキックを安居海渡がヘディングで決めて同点に追いつく。後半18分、宮本優太のドリブルからのシュートで流通経済大学が逆転し、この日途中出場の満田誠が21分と31分にゴールを決めて、流通経済大学が4‐1で勝利し、決勝進出を決めた。
試合後、中野雄二監督はメンバー編成について、「メンバーを落としたのではなく、コンディションが良い人を使った。しかし今日出番が回ってきた試合出場時間数の少ない選手のほうが、逆に疲れているようなプレーしていたことについて、ハーフタイムに厳しく話した」としつつも、試合については「先制されていながらも落ち着いて追いつけて、後半3-0のゲームをやって合計4-1だった。今のチーム力が充実してきた証」と総括した。
また、早稲田大学との決勝戦については、「曺貴裁コーチの母校との決勝なので、これも何か縁がある。曺コーチにとっても母校とやれるのは楽しみだし、流通経済大学にとっても初の決勝。このタイトルを取りたいと思ってやってきたので、良いゲームをやりたい」と述べた。
続けて行われた神奈川県リーグ所属の東海大学と桐蔭横浜大学の順位決定戦は、桐蔭横浜大学が前半2‐0でリードするも、後半に東海大学に追いつかれ、延長戦にもつれ込んだ。延長前半、3回続いた右コーナーキックの3本目を丸山智弘が左足インスイングで直接決め、さらに延長前半終了間際も同じく右コーナーキックから丸山智弘が左足で鈴木颯太のヘディングゴールを演出し、東海大学が4‐2で勝利し、5位決定戦進出を決め、全国大会出場への望みをつなげた。
試合後、東海大学・今川正浩監督は「昨年、県リーグに落ちてしまったが、昨年の試合を振り返ると、失点をしたゲームが多かったので、守備を見直して強化した。良い形でのボール奪取から攻撃に入ることを春からずっとやってきた。昨年、ひたむきに走ったり、泥臭く頑張ったりというベースがチームの中に根付いた。それをベースにチームとしてどう守備をしようかということに着手した。個々人の頑張りを、どうチームにつなげるかということ。また、守備に重きを置きながらも、この大会は1部も2部も技術的に高い選手が多いので、うちの頑張りや走力を生かして点を取ろうとすると、どういった形でやろうかということを選手たちが理解をしてくれて、今大会の中で実践してくれているのが、この結果につながっていると思う。全国大会に行くという強い思いを持っていたので、選手たちが本当に良く頑張ってくれている」と評価した。
また、10月3日には「JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦」の日本体育大学と明治学院大学の第4節延期試合が行われた。
試合は、後半34分に中央で得たフリーキックを伊藤純也が右足で上げたボールを深川大輔がヘディングで決めて、日本体育大学が1‐0で勝利を収めた。試合後、日本体育大学・矢野晴之介監督は、「流れの中で点を取れれば一番良かったが、セットプレーが多くなったのも相手の方に攻め込んだ結果。及第点」と評価した。
「アミノバイタル®」カップの試合結果は以下の通り。
【準々決勝】
東海大学 1-3 日本大学
流通経済大学 2-1 桐蔭横浜大学
早稲田大学 1-0 立正大学
東洋大学 3-2(延長1-0)法政大学
【準決勝】
日本大学 1-4 流通経済大学
早稲田大学 1-0 東洋大学
【順位決定戦】
東海大学 4-2(延長2-0)桐蔭横浜大学
立正大学 1-0 法政大学
(文=玉 昌浩)
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