9月の5試合で15ゴール。韓国Kリーグの浦項スティーラースが、新たに定めた“多得点1位”の目標に近づいている。
浦項は今シーズンここまで、圧倒的な攻撃力を誇示している。
スタニスラフ・イリュチェンコ(15ゴール5アシスト)、マヌエル・パラシオス(5ゴール5アシスト)、アレクサンダー・パロチェビッチ(11ゴール6アシスト)のほか、二桁得点目前のソン・ミンギュ(9ゴール5アシスト)が勢いに乗っている。
また、兵役を終えてチームに復帰したカン・サンウ(7ゴール9アシスト)も、アシスト部門首位の活躍を披露している。当初の目標に定めた「来季アジア・チャンピオンズリーグ出場」は、現時点でほぼ手中に収めたといっていい。
ただ、もう一つの目標だった「FAカップ優勝」は挫折した。準決勝で蔚山現代FCとPK戦までもつれ、惜しくも敗退が決まってしまったのだ。
これを受け、キム・ギドン監督はシーズン終盤を乗り切るための新たな目標を立てた。
去る9月24日に行われたメディアデーで、キム監督は「多得点1位を目指す」と語った。上位6チームで争うファイナルAを勝ち切るべく、新たな方向性を示したのだ。
そして、浦項は去る9月27日に行われたファイナルA初戦で光州FC相手に5ゴールと爆発。これで得点数46ゴールを積み上げ、多得点1位の蔚山現代(47ゴール)まで残り1ゴールと迫った。
浦項の攻撃力は特に最近がすさまじい。9月の5試合で15ゴールを挙げるという暴れっぷりだ。無得点に終わった第21節の水原三星ブルーウィングス戦を除き、他の4試合すべてで3ゴール以上をマークした。
正規ラウンド第19節の大邱FC戦、第20節の江原FC戦ではそれぞれ3ゴール。そして、最終節の4ゴールを決めて尚州尚武FCを下した。
尚州尚武戦ではパロチェビッチ、光州戦ではイリュチェンコがハットトリックを達成。両選手とも、Kリーグ初であるとともに、キャリア初のハットトリックとなった。
浦項は今シーズン、両サイドバックのキム・ヨンファンとシム・サンミンが同時に入隊したことで不安なスタートを切った。それでも、強力な攻撃力を武器に弱点を相殺し、順位表でも3位の座を守り続けている。
FAカップ優勝こそ逃したものの、新たに定めた目標に向かって着実に歩みを進める浦項。シーズン通して「面白いサッカー、浦項のサッカー」を唱え続けているキム監督の願いが、いよいよ現実のものになろうとしている。
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