例えばUAE代表対パーレーン代表との開幕戦では、審判が吹かなくてもよい反則を宣言し、議論を呼んだ。
バーレーンDFが視野の邪魔を受けてボールをまともに見られず、相手選手と衝突する途中で、しかも腕を体に付けたままボールに当たったにもかかわらず、ヨルダン出身の主審はUAEにペナルティーキックを与えた。 誤審に近い判定だった。
オーストラリア代表対ヨルダン代表戦でも似たような場面だが、180度違う結果が出た。
オーストラリア代表のロビー・クルーズがペナルティーボックスの中でつないだパスをヨルダンの守備手、フェラス・シルバヤが腕を上げてボールを止めた。長友のハンドシーンと似ている状況だった。
先に行われたUAE代表対バーレーン代表の試合で出たハンドが反則としてジャッジされたのだから、当然主審がペナルティーキックを与えなければならない状況だった。しかし、オマーン出身の主審は、この場面を正確に見守っていても何の判定も下さなかった。
3人の主審はいずれも初心者ではない。2人は2012年から国際審判になり、もう1人も2013年から国際審判として活動している。国際大会など重みのある試合で主審を務めてきた経験もある。
にもかかわらず、試合の流れに大きな影響力を及ぼすハンドによるペナルティーキック判定をきちんと下せないことには問題がある。そのレベルを言及せざるを得ない状況だ。
審判たちのお粗末な判定がアジアカップの権威を墜落させている。今大会には計30人の主審が参加。29人がアジア大陸出身で、メキシコ国籍の主審1人がいる。 アジアサッカー連盟は今大会のベスト8からビデオ判読システム(VARs)を導入することにしているが、その開始前から判定を巡る是非が続く可能性が高い。