去る9月22日に行われた2020-2021シーズンの韓国Vリーグ女子部新人ドラフトで、過去最低の指名率が記録された。
39人の高校選手がドラフトに名を連ねた中、全6チームのプロ球団から指名を受けたのはわずか13人。その内訳は1、2巡目で計9人、3巡目で2人、修練選手(育成選手)で2人だ。
今回のドラフトの指名率は33%と、2017-2018シーズンの40%を大きく下回り、過去10年で最も低い数字となった。
進行役のアナウンサーは監督や各球団関係者に積極的な指名を求めたが、返ってきた答えは「パス」が大多数だった。例年のドラフトとは異なり、冷ややかな雰囲気が現場には漂っていた。
そもそも、今回のドラフトはバレーボール関係者の間で「特に有望株がいない」という話が開催前から出回っていた。過去2~3年のドラフトと比べても、選手の力量が劣るという評価だった。
とあるプロ球団関係者は「例年なら3巡目辺りで指名されたはずの選手が、今年は1~2巡目に入ったという評価が大半だ。近年と比べ、選手の技量の差が大きかったようだ」と述べた。
加えて、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で大会の正常開催すらままならなかった。そのため、プロ球団関係者が視察する機会も少なく、選手としては例年よりも不利な状況でドラフトに臨んだといえる。
また、各球団は選手を新たに獲得する余裕も無かった。18人と上限が定められた選手人数のほか、サラリーキャップや財政、宿舎の規模などを考慮しなければならないからだ。
それらを抜きにしても指名したい選手がいれば話は別だが、今回のドラフトではそういった選手がいなかったというのが、大多数の関係者からの意見だった。
さらには、選手の寿命が延びていることも少なからず影響しているようだ。
ドラフトで選手を指名すれば、それに比例して引退や任意脱退で退団する選手がいなければならないが、近年は30代半ばや後半でもトップレベルのパフォーマンスを維持する選手が多い。
とある球団関係者は「一部のチームからは定員を増やして2軍リーグを実施しようという声も挙がっているが、まだ十分な共感は形成されていない。今すぐ定員を増やすことは難しい」と、現状の厳しさを伝えた。
女子バレーボール界では、1~2年後の新人ドラフトは今年よりも状況が良くなるとの観測が出ている。関係者は「今の高校1・2年生は技量が優れているようだ。指名率も再び向上する可能性がある」と予想した。
とはいえ、インフラ拡張のための努力は持続しなければ、より多くの人材を選抜することはできないという点は明らかだ。
今年のドラフトで優秀な選手が少なかったという指摘は、それだけ発掘や育成が上手くいかなかったという意味に相違ない。
KOVOはもちろんのこと、今や韓国バレーボール協会(KVA)レベルでの有望株育成の努力が、韓国女子バレーボール界には求められている。
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