U-23韓国代表の“末っ子”として注目されるチョン・ウヨン(20・フライブルク)が、成長の痛みを乗り越え飛躍しようとしている。
チョン・ウヨンは、仁川(インチョン)ユナイテッドFCユースの大建(テゴン)高校在学中だった去る2017年夏、バイエルン・ミュンヘンと4年6カ月契約を結んだ。
当時、U-19チームからバイエルンに合流したチョン・ウヨンは、翌年のUEFAチャンピオンズリーグでトップチームデビューを飾るなど、自身の価値を大きく高めていた。
だが、ビッククラブでのポジション争いで苦戦を強いられたことで、チョン・ウヨンは昨夏にフライブルクへと移籍。そこでもやはり出場機会を得られなかったため、冬の移籍市場でバイエルンⅡ(2軍)にレンタル移籍で加入するなど、苦しい時期が続いた。
そんな彼が最も苦痛を感じた時期は、オリンピック本大会出場をかけてU-23アジア選手権に臨むU-23韓国代表に合流した今年1月だろう。
1997年生まれの先輩選手が主軸を担うU-23韓国代表に“飛び級”で参戦したチョン・ウヨンは、唯一の欧州組メンバーとして大きく注目された。チームを率いるキム・ハクボム監督も、彼をサイドアタッカーとして起用した。
だが、チョン・ウヨンは期待に及ばない決定力と個人戦術で試練を経験した。
U-23韓国代表は同大会で優勝し、東京五輪への出場を決めてみせたが、チョン・ウヨンだけは笑うことができなかった。所属チームで十分なパフォーマンスを発揮できず気をもんでいたのに、巻き返しを誓った代表でも思い通りのプレーを見せられなかった。
それでも、キム・ハクボム監督はチョン・ウヨンを抱きしめた。彼は「チョン・ウヨンが(所属チームや代表で)あらゆる負担と戦い、自身の技量を発揮できずにいる。明らかに優れた点の多い選手なのに、(主力争いに)焦りを感じている」と強調した。
そして、「余裕をもってバイエルン2軍で実戦感覚を付けつつ、自信を得られれば、十分に復活できるはずだ」と期待感を示した。
チョン・ウヨンはキム・ハクボム監督の期待通り、この8カ月間で着実に成長曲線を描いてきた。2019-2020シーズン下半期だけで、バイエルンⅡが属する3部リーグで15試合に出場し、1ゴール8アシストを記録した。
その勢いは、バイエルンⅡへのレンタルを終えてフライブルクに復帰した後も続いた。
今季開幕前のプレシーズンマッチでは主軸としてプレーし、去る9月6日のグールニク・サブジェ(ポーランド1部)戦では2ゴールも挙げている。
チョン・ウヨンは14日に行われたDFBポカール1回戦のヴァルトホーム・マンハイム(4部)戦で先発出場し、ドイツ進出以降初めてトップチームでフルタイムを消化した。試合は2-1でフライブルクが勝利している。
はたして、今季のブンデスリーガでチョン・ウヨンが躍動する姿を見ることはできるだろうか。
前へ
次へ