カージナルスのキム・グァンヒョンが「球種豊富」「打たせて取る達人」と評価されるワケ

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順調なメジャーリーグ(MLB)デビューシーズンを送っているセントルイス・カージナルスのキム・グァンヒョン(32)は、豊富な球種を駆使することで知られる。

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彼の球種を大きく分類すればおよそ4種類になるが、より細分化すると、ファストボール一つで4種類以上もの球種を生み出していた。

キム・グァンヒョンは去る9月15日(日本時間)、ミルウォーキー・ブルワーズとのダブルヘッダー第1戦で7イニングを投げ、被安打をわずか3に抑える好投を披露。シーズン防御率を0.63にまで引き下げた。

キム・グァンヒョン

87球という投球数が証明しているように、キム・グァンヒョンは三振よりも打たせて取るピッチングをする印象がある。

カージナルス野手陣が堅固である側面もある。だが、打ち取ってしまえば球数節約と同時にイニングをより長く消化でき、ブルペンの負荷を軽減できる。そういった自身の投球哲学を、MLBという舞台でも実行に移しているものと解釈できる。

キム・グァンヒョンは「若いころは何が何でも力強く投げ、三振を奪うことを好んでいた。でも、経験を積むにつれて野手のリズム感やブルペン陣の体力を補完するために、1~2球でアウトカウントを作ることがチームにとって重要だと考えた」と語った。

「今年はメジャーリーグに適応する期間」

キム・グァンヒョンはフォーシームファストボール一つをおいても、球速やわずかな変化で打者のタイミングを奪う。

ブルワーズ戦では、右打者相手に内角へ鋭く切れ込むカットファストボールを投じた。この日、フォーシームの最高球速は148キロだったが、カット性のあるフォーシームは143キロ程度だった。

打者はフォーシームのタイミングに合わせると振り急いでしまうだけでなく、身体の方にボールが曲がってくるので詰まらせてしまうことも多い。バットが折れたり、ボテボテのサードゴロが出てしまったりしたのもこのためだ。

ここで興味深いのは、まだ見せていない球種をキム・グァンヒョンが持っている点だ。ツーシームファストボールをシンカーのように投げたり、10キロ以上の球速差を与える“ジクチェ(フォーシームのように投げるが軌跡はチェンジアップ)”を投げたりもできる。

チェンジアップやカーブと併用できるフォークボールも隠している。カーブが右打者の内角に曲がる軌跡とすれば、キム・グァンヒョンの投げるフォークは外角に流れる110キロ台の変化球だ。

こうしたことからも、トロント・ブルージェイズで活躍する同国の先輩リュ・ヒョンジン(33)と同様に、キム・グァンヒョンも多彩な球種と球速差を使い分け、打者のタイミングを奪うことができる投手といっていい。

キム・グァンヒョンは「今年はMLBへの適応期だと思う。打者も新型コロナウイルス感染症の影響で練習のルーティンが崩れた。正常なシーズンとみるには無理があるが、むしろそのおかげで自分はMLBに適応する時間を稼いでいる。来年からが本当の勝負。今年は適応が先決だ」と強調した。

キム・グァンヒョンがMLBでさらなる飛躍を果たすには?

MLB打者の性向を把握して、“クイック・アンド・スロー”戦略をより細分化する意図も見え隠れする。多様な球種で打者の反応をうかがうことも、MLBへの定着を念頭に置いた動きとみられる。

キム・グァンヒョンの計画が遂行されるには、球速をもう少し引き上げなければならない。韓国プロ野球で活躍していたときのように、153キロのフォーシームファストボールを投げられれば、ムービングファストボールの価値も同時に上昇する。

本人もこのことを理解しているようで、「コンディションが良いから、球速は回復すると確信している」と述べている。

キム・グァンヒョンが153キロ台のファストボールを取り戻した時点が、彼の本格的なMLB征服が始まる時点となるだろう。

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