韓国プロ野球KBOリーグで、過去に例を見たことがないような激しい順位争いが繰り広げられている。順位表が両極に分かれ、いずれの競争も熱い。それぞれ次元が違う争いをしている。
韓国シリーズに直行できるリーグ1位の座をめぐり、上位チームによる競争が激しくなるなか、史上初となるシーズン100敗を避けようと下位チームがもがいている。ハンファ・イーグルスが今シーズンの最下位に決まったかに思えたが、SKワイバーンズが9月に入って連敗の泥沼に陥り、どちらが最下位となるかも読めない。
順位表の上位は一寸先を予測するのが難しいほど、混戦模様だ。
NCダイノスが1位をキープしているが、2位のLGツインズが2ゲーム差に迫っており、3位のキウム・ヒーローズも3.5ゲーム差で追いかけている。負傷者の復帰が始まったキウム・ヒーローズも、再び連勝街道を目指すLGツインズも、いつ1位に躍り出てもおかしくない状況となってきた。
9月中旬以降、秋夕(チュソク)を控えて上位3チームの順位が目まぐるしく変動する可能性も十分に存在する。そして4位の斗山ベアーズと5位KTウィズも、首位争いに加わる勢いだ。NCダイノスが停滞し、KTウィズが上昇したことで、上位5チームがリーグ史上最も密集した状況が生じている。
逆に、下位にとどまっているSKワイバーンズとハンファ・イーグルスは、ビリ争いとシーズン100敗を免れようと必死になっている。
今季、ハンファ・イーグルスが最下位でシーズンを終えることは既成事実に近かった。しかし2019年まで上位だったSKワイバーンズがシーズン後半、急激に失速して状況が変わってきている。最近SKワイバーンズは二桁連敗に陥り、はるかに離れていたハンファ・イーグルスとの差が2.5ゲームにまで縮まった。
LGツインズのリュ・ジュンイル監督が「シーズン85勝と話してきたが、下位の両チームが離れており、思った以上に多くの勝利が必要なようだ」と話したが、これは他球団の監督も同じ思いだろう。
100試合以上を行った状況で、並んで70敗以上を記録したSKワイバーンズとハンファ・イーグルスは、シーズン終了時に100敗していることも心配しなければならない。現在の2割台の勝率のままでは、100敗が現実のものとなる。
KBOリーグのシーズン最多敗戦は、2002年のロッテ・ジャイアンツが記録した97敗(35勝1分)だ。最下位のハンファ・イーグルスが、もし43勝1分100敗でシーズンを終えた場合、勝率は0.301である。103試合を終えたハンファ・イーグルスの現在の勝率が0.287であるだけに、100敗は現実的なのだ。
SKワイバーンズにとっても他人事ではない。8月以降の勝率は0.258に過ぎず、9月は10日のハンファ戦まで勝率 0.00だった。
他の8球団にとって“勝利の自動販売機”となった両チームに反発がない場合、韓国プロ野球史上、一度も見られなかったシーズン100敗のチームが2チーム同時に出てくる可能性がある。
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