新型コロナウイルス感染症の影響で春季キャンプの海外開催が確約できないなか、韓国プロ野球の全10球団が国内に目を向けた。
1・2軍施設の活用を念頭に置きつつも避寒地を調査し、より効率的にキャンプを進める方法を模索している。
多くの球団は済州島(チェジュド)や康津(カンジン)など、2月にも練習が可能な温暖な地域を訪問し、調査を終えた。
ある地方球団の団長は「国内で春季キャンプを行う場合は、1・2軍施設すべてを使用できる一方で、(キャンプが)長期間であることも考慮しなければならない。1カ所のみの開催では選手も退屈し、疲れてしまうため、集中力維持の面で時期に応じてキャンプ地を移すことも検討している」とコメント。
また、「1軍、2軍球場ともに冬にグラウンドの芝生工事を行い、2月中旬までは芝生の保温作業を行う。そのため、球場が使用できないことも参考にし、キャンプ地と日程を構想する」と明かした。
現時点での確定事項は無いとはいえ、全10球団の国内キャンプ開催は既成事実となりそうだ。それによって、来シーズンの春季キャンプシーズンは、強化試合がいつになく韓国プロ野球ファンの目に留まることになりかもしれない。
アメリカでキャンプを開催した球団は、機器や時差の問題によって親善試合の生中継が困難だった。現地では大学チームやマイナーリーグ、メジャーリーグ(MLB)のチームと対戦するが、試合の状況を韓国にいるファンにいち早く届けることには限界があった。
MLBのチーム側の放映権問題もあるため、むやみに試合映像を製作することもできない。昨年3月にはKTウィズが米アリゾナでシアトル・マリナーズと練習試合を行ったが、中継を行うことできなかった。
だが、国内キャンプともなれば球団独自の中継も可能だ。
昨年はオープン戦のテレビ中継が行われなかったため、各球団が独自で試合中継行った。今年も、5月の開幕前までそれぞれの球団が自主的に紅白戦を中継していた。
普段のテレビ中継ともそん色ない高画質やカメラワークと、期待以上の中継画面を野球ファンにプレゼントした。特にロッテ・ジャイアンツやLGツインズ、ハンファ・イーグルスは解説委員も招くなどし、ファンから大きな反響を受けていた。
アメリカ現地の野球ファンにとってMLBの春季キャンプは、避寒地で休暇を取りながら野球を気ままに楽しむ期間だ。
しかし、韓国プロ野球の球団は国内の寒冷な気候もあって、これまでアメリカや日本、台湾、オーストラリアなど海外でキャンプを開催してきた。それだけにアクセス性も落ち、本番中継を含めたコンテンツも不足していた。
各球団の団長は、国内での春季キャンプ開催が確定した場合、翌年のキャンプの開始日とスケジュールを全体的に遅らせることも考慮している。新型コロナの影響で全10球団が韓国にとどまることになれば、国内の野球ファンはより豊かなオフシーズンを送れるようになるかもしれない。
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