過去の栄光も今は昔…Jリーグを盛り上げた元ストライカー監督2人が途中解任の憂き目に

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プロスポーツの世界において、頂点に立ったチームの監督が優勝の感想としてよく口にする言葉がある。「今日までは喜ぶだろう」。

【写真】「久保建英そっくり」と話題の韓国代表選手

それだけ、プロスポーツは昨日の栄光より今日の結果を重要視する。過去に栄光を勝ち取った指導者も、現時点で成績が芳しくなければチームを去るのが常だ。

そんななか、韓国Kリーグでは“名将”とも呼ばれた2人の監督が、シーズン途中での退陣を余儀なくされている。

Kリーグの歴史を見ても、通算100勝の大台に乗った監督はわずか18人しかいない。

そのうち半数以上はすでに指導者引退を宣言していたり、事実上現場から離れている。中国スーパーリーグの上海申花を率いるチェ・ガンヒ監督(229勝)やU-23韓国代表を率いるキム・ハクボム監督(118勝)など、Kリーグ以外の舞台で指揮を執る監督もいる。

チェ・ガンヒ監督
キム・ハクボム監督

行政家に転身した元指導者もいる。2010~2011年に韓国代表監督を務めたチョ・グァンレ氏(140勝)は大邱FCの社長に。釜山アイパークや蔚山現代FCで指揮を執ったキム・ホゴン氏(126勝)は、2019年から水原FCの社長に就任している。

それだけに、今もKリーグの舞台で指揮を執る“通算100勝以上”の監督はそう多くなかった。

2020シーズン開幕時点のKリーグを見ても、100勝以上を記録した監督はたった2人。FCソウルのチェ・ヨンス元監督(122勝)、大田ハナシチズンのファン・ソンホン元監督(170勝)がその主人公だった。

そして皮肉にも、通算100勝以上を挙げてきた両監督は、ともにシーズン途中でチームを去る運命を迎えた。

成績不振やクラブとの摩擦が原因で…

現役時代はジェフユナイテッド市原などJリーグでもプレー。指導者転身後は自身の確固たるチームカラーでソウルを率い、2012年のKリーグ、2015年のFAカップを制したチェ・ヨンスは、去る7月末に自らFCソウル監督の辞任を表明した。最大の要因は極度の成績不振とされている。

チェ・ヨンスは2016年に中国スーパーリーグに進出したが、2018年、降格危機に瀕していたソウルを救うため、再び古巣に復帰。2019シーズンはKリーグを3位でフィニッシュしてアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を確保していただけに、彼の退陣は苦々しさが残るものとなった。

ファン・ソンホン(左)とチェ・ヨンス

大田ハナシチズン初代監督のファン・ソンホンは、去る9月8日に辞任を表明した。予想外の時点での辞任だが、期待を下回る成績やクラブとの摩擦が主な原因に挙げられている。

現役時代はセレッソ大阪や柏レイソルで活躍したファン・ソンホンは、浦項スティーラース監督時代の2013年に2冠(Kリーグ、FAカップ)の偉業を達成した指導者だ。彼はこれまでKリーグとFAカップでそれぞれ2回ずつ優勝し、長期レースと短期決戦のいずれも強さを見せた監督として認められた。

今シーズンからは企業クラブへとして新たに生まれ変わった大田ハナシチズンの初代監督を引き受けたが、自身のカラーをまともに見せられなかったという評価を受けてきていた。

過去にも2018年にソウルの監督を途中解任されたファン・ソンホンは、今回、またもシーズン途中に監督の座を降りるという不名誉な経験をすることになった。

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