かつて福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)や北海道日本ハムファイターズに所属していたブランドン・ナイト氏(44)は、今年で韓国在住12年目を迎える。
去る2009年にサムスン・ライオンズに入団して韓国の地を踏んだナイト氏。サムスンでは2010シーズン途中までプレーした後、2014年までネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)のユニホームを着て選手生活を続けた。
サムスン時代よりも、ヒーローズ時代のマウンドでナイト氏は輝きを放った。韓国プロ野球で挙げた48勝のうち、36勝をヒーローズのエースとして手にした。特に1シーズンで16勝を挙げた2012年が全盛期だった。防御率(2.20)、イニング(208.2)部門の両方で1位となった。
現役引退後も韓国との縁は続いた。2015年11月からヒーローズ2軍の投手総括コーチに就任して指導者の道に進むと、2017年からは1軍の投手コーチに昇任し、現在もチームに携わっている。
ナイト氏は、選手や指導者として10年以上も韓国プロ野球にかかわっている身として、韓国野球の発展ぶりや課題について語った。
まず、ナイト氏は肯定的に発展した点について「球場施設をはじめ、インフラが非常に良くなった。新しい球場も多く作られ、全体的に施設そのものが大きく向上した。また選手全体の能力も向上した。優れた才能を持つ選手が多くなったことは良い変化だ」と述べた。
現役時代は米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースでメジャーデビューした後、日本プロ野球を経て韓国プロ野球も経験したナイト氏。彼は韓国野球に多くの肯定的な変化が表れた一方でアマチュア野球の活性化において不備があるとし、次のように指摘した。
「韓国プロ野球のデプス向上のためのアマチュアリーグ投資が拡充されなければならない。アマチュア野球に対する投資が拡大し、KBO(韓国野球委員会)レベルで高校野球施設などの改善が必要とみられる。高校野球とプロ野球のギャップが縮まるほど、新人がプロに来てすぐ才能を発揮できる」
ナイト氏が投手コーチを務めるキウムは現在、マウンドで先発陣3人が戦力から外されている。ほかにも中継ぎのアン・ウジンが離脱し、抑えのチョ・サンウも勢いを落としているなど、浮き沈みが激しい。にもかかわらず、8月のチーム防御率は3.56と10球団中2位につけた。
これについてナイト氏は、「我々は2000年代序盤ニューヨーク・ヤンキースと同じだ。すべての選手が自分の役割を果たしている。特定の選手に頼らず、試合ごとに全員が奮起して勝利する“方式”が似ている」とし、「我々の選手たちが誇らしく、彼らの成長過程を見守ることが投手コーチとして胸がいっぱいだ」と話した。
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