「韓国サッカーに貢献した先輩たちが歳をとると、多くの人に尊重されなくなって残念だった」
Kリーグで初めて実現したキ・ソンヨン(FCソウル)とイ・チョンヨン(蔚山現代)の直接対決が行われた8月30日のFCソウル対蔚山現代の試合後の記者会見で、先制ゴールを決めたイ・チョンヨンが声に力が込めた瞬間だ。
一度、呼吸を整えたイ・チョンヨンは決心たように、全盛期を過ぎて晩年を送る選手への尊重が欠如した韓国サッカーの文化を批判した。
イ・チョンヨンは8月30日、蔚山文殊競技場で行われたFCソウル戦(3-0勝)直後の記者会見で、「人は誰でもパフォーマンスが下がってくる時期がある。良い姿を見せてきても、歳をとると以前ほどの活躍ができないことが多い」とし、「他の国と比較して韓国は、その部分について“あの選手はもう終わった”と思いがち」と指摘した。
そして「以前の(うまかった)記憶ではなく、今の姿だけで評価し、“あの選手はもう終わった”ととらえることは、本当に残念だ。そんなサッカー文化は変わってほしい」と述べた。
即興的な言葉ではない。11年間ヨーロッパリーグを経験しながら、さまざまな経験を積んだイ・チョンヨンがいつも心に秘めていた思いだった。
彼一人だけの考えではない。この日、直接対決を繰り広げたキ・ソンヨンをはじめ、パク・チュヨン、ク・ジャチョル、キム・ボギョンなど、いわゆる“2002日韓W杯キッズ”と呼ばれる選手たちも私的な席でよく口にする言葉だ。
彼らは2002年のワールドカップで韓国の“4強神話”を見て育った。しかしロールモデルだった2002世代も、選手時代の終盤や引退後の歩みは順調ではなかった。当時の主将を務めたホン・ミョンボ(現韓国サッカー協会専務理事)も現役時代、アジア最高のリベロとして称賛された。引退後は2012年ロンドン五輪では韓国代表を指揮し、韓国に史上初の銅メダルをもたらした。しかし2014年のブラジルW杯の失敗で、一瞬にして非難の中心に立った。
2010年南アフリカW杯での16強進出をはじめ、ロンドン五輪銅メダルの主役として活躍した“2002日韓W杯キッズ”も、いつのまにか30歳を超えるベテランとなった。彼らもやはり選手晩年の非難から逃れることができなかった。
パク・チュヨンだけでも、ヨーロッパで全盛期を迎え、ワールドカップとオリンピックの両方で決定的なゴールを決めて英雄となったが、ブラジルW杯をきっかけに批判が続いた。ク・ジャチョルとキ・ソンヨンも欧州のビッグリーグをプレーし、多数のAマッチに出場して自らの役割を果たした。しかし終盤、膝などの負傷が多く、2年前のロシアW杯時には一部のファンから非難を受けた。2人はロシアW杯後、代表引退を宣言した。
イ・チョンヨンはこの日、キ・ソンヨンをはじめ、パク・チュヨンやコ・ヨハンなどFCソウル時代に同じ釜の飯を食べた昔の仲間と11年ぶりにKリーグで再会した。感慨深いはずで、自然と残念な思いも浮かんだ。
彼は「今日会った選手たちは、過去に韓国代表として韓国サッカーに多数の貢献をした。当然、今よりも多くの尊重を必要とする。私も彼らを尊重する」と強調した。
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