校内暴力に対する警鐘となるか…NCダイノスがドラフト1次指名選手との契約交渉権を放棄

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前例のない出来事だが、“スポーツと暴力は共存できない”という大前提に従った。

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韓国プロ野球のNCダイノスが、2021年ドラフト1次指名者に選択したキム・ユソン(18・金海高)との契約交渉権を放棄した。

NC関係者は8月27日、「25日からキム・ユソン選手に対する過去の事実確認と内部討議を進めてきた。原理と原則に則って結論を下すことにし、キム・ユソン選手の1次指名を撤回することに決めた。違反行為を犯した選手を迎え入れることはできないと結論付けた」と明らかにした。

(写真提供=NCダイノス)キム・ユソン

NCは去る24日夕方、球団SNS宛てのメッセージを通じてキム・ユソンの中学時代の校内暴力行為を認知した。

その翌日にはキム・ユソンの母親と接触し、2017年にキム・ユソンが学校暴力委員会から出席停止5日の措置を受けたことも確認した。当時、キム・ユソン昌原地裁の判決に従い、20時間の心理治療受講、40時間の社会奉仕を遂行した。

事態は国民請願にまで発展

3年前のことではあったが、キム・ユソンの過去の校内暴力の事実による波紋は大きかった。

何より、当時の被害者が物理的・言語的暴行を受けたことで野球をやめ、今も苦痛を感じているという。被害者の母親は「キム・ユソン側は一度も心からの謝罪をしたことが無い」と強調した。NCファンは契約交渉権の撤回を要求し、国民請願にも掲示物が掲載された。

そして、指名発表からわずか3日でNCはキム・ユソンの1次指名を撤回した。

NCは報道資料を通じて「当該選手は中学時代に校内暴力を振るった。被害を受けた学生と家族の方々に心からお詫び申し上げる」とし、「我々も、1次指名の過程で当該選手の事件を入念に確認できなかった。もう一度頭を下げ、お詫び申し上げたい。球団はこれから、新人選手を選抜する際にこのようなことが再発しないよう最善を尽くす。球団は韓国プロ野球内での違法、非倫理的行為を防止するため、さらに努力していく」と発表した。

NCダイノスの選手たち

今回のNCの1次指名撤回は、校内暴力に警鐘を鳴らしたといっていい。いくら過去のに犯した過ちだとしても、被害者から許されなかった者はプロの舞台に挙がることはできず、大衆の前に立つこともできない。

校内暴力をしたにもかかわらずプロ野球の舞台に立っている選手は、3年前に1次指名でネクセン(現キウム・ヒーローズ)に入団したアン・ウジンが今のところ最後のケースだ。

2018年1月、アン・ウジンは韓国野球ソフトボール協会から高校時代の校内暴力によって3年間の資格停止処分を受けた。ネクセンからも、球団独自に50試合の出場停止処分が下された。その処分が解けてからは、アン・ウジンは今もマウンドに上がり続けている。

NC関係者は「他球団の事例も時間順に確認した」と明かした。ネクセンの事例を参考にはしたが、異なる結論を下したという意味だ。

今シーズンのアン・ウジン

新人選手の選抜方法にも変化か

NCの今回の選択を皮切りに、他球団も有望株の過去の足取り調査に全力を傾け、校内暴力の事実が確認された場合には指名対象から外す方針を立てた。

首都圏A球団の関係者は「球団は野球を観戦するファンの要求を聞き、ファンの基準に従うべきだ。今回の事件の中心には野球ファンの請願があったのではないか」とし、「校内暴力の事実を確認できる制度的装置が設けられれば、NCから始まった動きも加速化するだろう」と述べた。

また、別の首都圏B球団の関係者は「NCは簡単ではない決定をした」しながらも、「今や野球ファンの意見を見過ごすわけにはいかない。球団も新人指名にもう少し慎重になるきっかけになるだろう。校内暴力のような重大事案を指名に先立って確認できれば、今回のような議論や事件も減るはずだ。我が球団も今後、より徹底的に確認したうえで指名権を行使する」と語った。

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