韓国野球委員会(KBO)は、新型コロナウイルスが感染拡大し、韓国政府の防疫対策「社会的距離確保」が第2段階に引き上げられたことに従い、防疫ガイドラインを強化した。
最も顕著な変化は、試合中のマスク着用を義務化したことだ。
8月25日から韓国プロ野球の選手たちは試合中、グラウンドを除いたダグアウトやロッカールームを含むすべてのエリアで必ずマスクを着用しなければならない。ブルペンでピッチングする投手と捕手は除外される。いつ、どこで感染するかわからない状況の中、感染のリスクを最小化するための措置だ。
KBOは選手たちが試合中、唾を吐く、素手でハイタッチ、抱擁、ダグアウト内でのマスク未使用など防疫ガイドラインを守らない様子が見られた場合、警告や罰金で制裁する方針だ。
KBOの指針が伝えられると、8月25日の試合から10球団の選手たちはグラウンドに立っているときを除き、すべての場面でマスクを着用していた。
試合前のトレーニング時にマスク着用の義務はないが、強力な勧告事項であるだけに、多くの選手がマスクをつけたままトレーニングに臨んだ。誰がいつ感染するかわからない状況で、選手たちも進んで防疫に協力するようだった。サムスン・ライオンズのパク・ヘミンとキム・サンスは、グラウンドでもマスクを着用したままプレーした。呼吸しづらいデメリットもあるが、自分とチームを考えて下した結論だった。
選手たちは試合中、得点のシーンでも積極的なセレモニーを避けた。ハイタッチの代わりに拍手などで、喜びを分かち合った。数十人の選手が集まってダグアウトにいるため、選手間の接触を完全に回避することはできないが、できる範囲で防疫ガイドラインを守っていた。
マスクの着用は不便であり、試合への集中を邪魔するわずらわしい条件だろう。それでも選手たちには、感染防止のために最善を尽くすという共通認識が生まれている。
8月25日、キウム・ヒーローズ戦にセカンドとして出場したKTウィズのパク・スンウクは、「マスクを着用したら苦しくて不便だったが、状況が状況だけに当然守らなければならないと思う」と語った。ダグアウトからマスクを着用したまま試合を見守ったチョン・ソンホも、「ぎこちないし不便だが、当たり前に気をつけなければならないことだ。状況が良くなるまで少し不便でも我慢する」と、防疫ガイドラインに従う意思を伝えた。
前日の斗山ベアーズ戦で活躍したKIAタイガースのパク・チャンホは、「攻撃や守備を終えてダグアウトに入り、息が切れているとき、マスクを着用すると呼吸を整えるのに時間がかかるようだ。それでも時期が時期だけに、早く適応していくべき」と述べた。
8月25日までに200人台だった韓国の新規感染者数は、8月26日に320人に増加し、再び300人台へと突入した。まったく油断できる状況ではない。韓国政府も状況を注視しながら、「社会的距離確保」の第3段階への引き上げを準備している。
第3段階に引き上げられれば、野球をはじめとするすべてのプロスポーツは中断される。リーグ中断という最悪の状況を防ぐため、KBOリーグのすべてのメンバーが防疫に積極的に参加している。
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