韓国女子バレーボール界のスーパースターであるキム・ヨンギョンの国内復帰とカップ戦の開幕で新シーズンへの期待高まる韓国女子プロバレーボール界が、故コ・ユミンの遺族と故コ・ユミンが所属した現代(ヒョンデ)建設ヒルステートとの間で真実攻防戦がありそうで物騒だ。
故コ・ユミンの母親は8月20日、訴訟代理人のパク・ジフン弁護士とともに国会議事堂正論館で記者会見を開き、「故人が極端な選択をした理由は、(先に伝えられている)悪質なコメントのためではなく、前所属チームだった現代建設ヒルステートのコーチ陣によるいじめと契約詐欺劇が原因だ」と主張した。
パク弁護士は故人の携帯電話などから発見されたモバイルメッセージを根拠として提示し、「故人は母親をはじめ家族、チームの同僚にメッセージを送り、“監督が私を透明人間扱いしている”という言葉を続けてきた」とし、「普段から意図的にいじめを受け、練習から排除されることになった。また、故人が宿舎で極端な選択をした仲間をかばい、(コーチ陣などから)無視された」と説明した。
また、いじめ以外にも故コ・ユミンを死に追いやった別の理由として、「選手飼い殺し」の契約書もひとつの原因だったと主張した。
パク弁護士は「故コ·ユミンはトレードでチームを出たいと要求し、チームもそれを受け入れながら、3月30日に契約解除合意書にサインするようにした」とし、「しかし、現代建設ヒルステートは5月1日に故コ・ユミンを任意脱退させた」と説明した。
「契約解除の際、チームは選手保有権を失う 該当選手は自由契約(FA)選手になるが、現代建設ヒルステートはコ・ユミンを他チームへの移籍が不可能な任意脱退で処理した。それは適切でない」と強調した。
それとともに「韓国バレーボール連盟は“現代建設ヒルステートが選手と契約解除合意書を提出したことがない”と答えた。現代建設は選手と連盟を欺いた」と付け加えた。
一方、現代建設ヒルステートは記者会見中、直ちに反論の報道資料を配布した。
まず、練習中に監督やコーチが故人に物議を醸すような行為をしたことは確認されていないとし、「“仲間はずれ”は根拠のない主張だ」と一蹴した。
故コ・ユミンが直近2シーズンで55試合に出場したことも強調した。任意脱退については「シーズン中の2月29日、何の意思も表明せずに故人がチームを離脱した。本人と確認した結果、悪質な書き込みで心身が疲れたのでチームを離れているということだった」とし、3月30日に相互合意で契約を打ち切ったと説明した。
その後、現代建設ヒルステートは韓国バレーボール連盟と選手離脱について協議し、故人と連絡した後、契約継続が難しいと判断して、FA手続き終了後の5月1日、任意脱退公示をしたという。
両者が対立する争点は、いじめと不必要な契約解除合意書の作成、任意脱退の公示などに不適切な部分がなかったかということだ。
まず、チームの内部事情として、遺族側は故人が生前に家族や同僚らとやり取りしたモバイルメッセージを復旧して根拠として提示したが、法理的解釈を経るためには明確な資料として裏付けられなければならない。
これについてパク弁護士は「故コ・ユミンの他にも(いじめで)練習から排除された選手がいる」とし、追加証言や資料確保を予告した。
現代建設ヒルステートとしては契約解除合意書の作成は任意脱退の公示ができない状況だったので、次善策として選択した方法だという立場だ。
任意脱退公示は、FA補償選手と関連した悪用を防ぐため、シーズン終了からFA手続き終了時までは行えないことになっている。
2019年-2020年シーズンは新型コロナによって3月23日に早期終了し、現代建設ヒルステートは3月末に故コ・ユミンの任意脱退公示を試みたが連盟から返還されたという。
そのため現代建設ヒルステートとしては、5月までの2ヵ月間、故コ・ユミンに給与を支給しないため、契約解除合意書を作成したという。
韓国バレーボール界では任意脱退の公示ができない時期だとしても、契約解約合意書を作成したことは一般的ではなく適切ではなかったという反応だ。
また、契約解除選手はチームを離れた身分となるので、任意脱退対象者になれない。 また、現代建設ヒルステートは報道資料に反映されなかったトレード計画について、「実際に試みたが、故コ・ユミンを希望する球団がなかったため実現せず、故コ・ユミンには実業団に行くことも検討してはどうかと話した」と説明した。
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