トロント・ブルージェイズのリュ・ヒョンジンが試合を重ねるたびに、防御率1位を記録した2019シーズンの勢いを取り戻している。
開幕から2試合と直近2試合で、投球結果が180度変わった。
開幕戦となったタンパベイ・レイズ戦、続くワシントン・ナショナルズ戦の2試合で防御率は8.00だった。ブルージェイズ移籍後、初勝利を収めたアトランタ・ブレーブス戦、今シーズン初クオリティ・スタート(6イニング以上消化し、3自責点以内)を記録したマイアミ・マリーンズ戦の2試合は、防御率0.82だ。
8月12日(日本時間)に行われたマリーンズ戦を終え、リュ・ヒョンジンは「直球と変化球など、すべての球種が少しずつ良くなっていると感じた。四球を2つ許したのが残念だ」と話した。リュ・ヒョンジンのフォーカスは制球力だった。それでもブルージェイズ出入りの記者は「直球に球速と威力があった」と伝えた。
打者も同じだが、投手もいつもと同じコンディションを維持することが容易ではない。
リュ・ヒョンジンは2019シーズンのような成績を継続していけば、サイ・ヤング賞の候補となる。成績の維持という点では、155キロの剛速球で打者を圧倒するスタイルの投手のほうが有利だ。リュ・ヒョンジンのように、打者のタイミングを奪う緩急調節とコントロールで勝負するスタイルは、当日のコンディションに影響を受けることがしばしばある。もちろん、投球バランスが最も重要だ。
開幕からの2試合は、10イニングを投げながら13安打を許し、8失点、4与四球、9奪三振だった。直近2試合は11イニングを投げ、3被安打、1失点、5与四球、15奪三振を記録した。
投球内容に大きな違いが見られる。開幕2試合は球威が地味だったが、直近2試合は威力的だった。ブレーブス戦ではチェンジアップ、マリーンズ戦ではフォーシームファストボールとカットファストボールが威力を発揮した。
開幕2試合と直近2試合の投球内容の違いは結局のところ、直球の球速の違いだ。開幕2試合の直球は平均141.5キロ(88マイル)で、直近2試合は146.4キロ(91マイル)となっている。
球速は嘘をつかない。マリーンズ戦の3回裏に奪った三振は148キロ(92マイル)のフォーシームファストボールだった。今季最速の球速で三振を奪っている。今シーズン4試合ぶりに最速のボールとなり、148キロは3球あった。
マリーンズ戦の興味深かったシーンは4回裏、先頭打者コーリー・ディッカーソンとの対決だ。10球勝負の末、レフトフライで討ち取ったのだが、ファストボール5球、カットファストボール2球、チェンジアップ2球、カーブ1球を駆使した。直球は146キロ、148キロだった。つまり力でコーリー・ディッカーソンを処理したのだ。
マリーンズ戦と同じような球速を維持できるのであれば、リュ・ヒョンジンの安定的な投球は続くと思われる。
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