2020シーズンの韓国プロ野球は腹を空かせている。
【写真】韓国プロ野球の美女チアリーダー、“大胆な”ウェア姿に反響
去る5月5日に無観客で開幕した韓国プロ野球は、先月26日から総収容人数の10%という制限付きで球場を開放した。さらに今月11日からは、中央災難安全対策本部の決定を受け、制限が30%にまで緩和される。
ただし、“座席内飲食禁止”の方針に変わりはなく、観客席では簡単な飲み物しか飲むことができない。
有観客試合再開後、球場内の飲食店のほとんどが営業を再開した。購入したフードを食べられるのは各球場で別途に設けられた特定地域のみだ。これは、大規模な集団感染を防ぐために作られた指針である。
とはいえ、現場が体感する乖離は大きい。
“座席内飲食禁止”が観客動員の前提条件であるため、こうした政府の案は受け入れざるを得ない。だが、球場内での実際の環境ではそれを反映できず、むしろ実効性が落ちるという意見が共通している。
とある球団Aの関係者は「観戦中に食べ物を買いに出る時間は、主にイニング交代のときだ。そうなれば、短時間で大勢の人が集まるしかない。それに、韓国プロ野球は野外球場が大半であるため、食事可能区域が屋内に近い場合が多い」と吐露した。
球団Bの関係者も「特定の時間に内部に集まった人たちが一緒に食事をするのは危険だ。観客席では皆が一方向にグラウンドを見ている。社会的距離が確保されているのだから、むしろ観客席で食べたほうがはるかに安全だ」と主張した。
当の観客たちは、球場内で“何も食べない”という選択を取っている。実際、各球場の飲食物関連の売り上げは、例年とは比べ物にならないほどに下がっている。
球団Cの関係者は「試合が終わると、周辺の食堂や居酒屋に向かう人が列をなす。こうした場所はむしろ室内空間ではないか。現在の論理なら、食堂や居酒屋が営業しているのも話にならない」と声を高めた。
公平性に対する指摘は、他の産業との比較で引き続き出てきた部分だ。
球団Dの関係者は「国内主要大企業が運営する映画館の場合、室内空間にもかかわらず約80%の座席が空いており、他人との距離も野球ほどではない。それでも、中でポップコーンなどを食べることは可能だ」とし、「これに関してもずっと話してきたが、“映画館は私企業が運営するから”という返事が返ってきた。そう考えれば、プロ野球球団も厳然たるスポーツ産業だ」と強調した。
文化体育観光部も、関連して防疫当局と引き続き話し合っている。
文体部関係者は「言及するには慎重な部分」としつつも、「現場の苦痛については良く知っている。従来のカフェや食堂といった室内施設はもちろん、避暑シーズンを迎える海水浴場など、他の施設と比較すると公平性に欠ける部分がある」と共感を示した。
文体部をはじめ、あらゆるプロスポーツ団体が持続的に意見を開陳し、知恵を振り絞ってこそ、観客の不便や球団の収益確保も解決できるものとみられる。
前へ
次へ