今季早くも3人の監督が退いたKリーグ…目先ではない“長期的な観点”が必要なワケ

2020年08月04日 サッカー #Kリーグ
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“降格”というプレッシャーがKリーグ監督の寿命を短くしている。

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Kリーグ1(1部)第14節まで行われた現在、司令塔が空席のクラブは計4チームに上る。

シーズン開始から大邱FCを率いたイ・ビョングン監督代行を除いても、5月8日の開幕から3カ月も過ぎないうちに成績不振で退いた監督が3人だ。司令塔が空席となった水原三星(10位)、FCソウル(11位)、仁川ユナイテッド(12位)は、並んでリーグ下位に位置している。

3クラブの監督はいずれも降格圏に追い込まれると、成績不振によるプレッシャーに耐えられず指揮棒を置いた。チームに少しずつ刻まれる“降格”の二文字を消すために、追われるようにして決断を下した。それでもイム・ワンソプ前仁川ユナイテッド監督、イ・イムセン前水原三星監督、チェ・ヨンス前FCソウル監督の3人の指導者は、みなKリーグの貴重な資産だ。

左からイ・イムセン、チェ・ヨンス、イム・ワンソプ

監督の寿命を縮めている昇降格制度

Kリーグは昇降格制度が導入された2013年以降、シーズン途中に司令塔の立場を追われる指導者が着実に生じてきた。契約期間を満了できない指導者が昇降格制度導入後、約30%に上り、成績不振のプレッシャーを抱いた。

結果的に見れば、監督交代で不振を乗り越え、1部リーグに残留したクラブもある。代表的なのが仁川ユナイテッドだ。現在も降格圏に留まる仁川ユナイテッドは昇降格制度の導入後、5人の監督を変えながら残留に成功した。

結局のところ、監督の寿命を短くするのは“降格”の二文字だ。仁川ユナイテッドの残留によって、シーズン中盤に指導者を交代させるクラブが増えた。しかし、すべてが成功したわけではない。全南ドラゴンズは2018年、ユ・サンチョル監督が辞退したが、降格を防げなかった。

明らかなのは、監督交代はチームの降格を防ぐための万能の鍵ではないということだ。

何よりもKリーグの有能な指導者を早々と消耗することで、韓国サッカーにプラスに働くところがない。降格の危機に瀕したとしても、指揮をとる指導者が能力を十分に発揮できるよう時間を与えなければならない。たとえ降格したとしても、数年後にチームの未来を描くことができるように、長期的な観点で見る必要もあるだろう。

指導者も目の前の成績だけにとらわれる必要がなくなれば、さまざまなサッカーを展開することができる。そんな雰囲気が醸成されれば、ファンもさまざまなサッカーが共存するKリーグを楽しむことができる。

現在、代行体制で次期監督を検討している3クラブも、長期的な視点で指導者を選任しなければならない。それでこそ指導者も“降格”の二文字を意識することなく、自らのサッカー哲学を広げることができる。

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