8月1~2日、茨城県龍ヶ崎市にて「JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦」第5節が行われた。
8月1日、1部リーグ6試合が行われた。流通経済大学龍ケ崎フィールドでは、法政大学が駒澤大学に先制されて、3度追いつく展開でのドロー。法政大学・長山一也監督は試合後、「弱さしかみせられなかった」とコメントした。
1部リーグ全勝対決となった、首位・明治大学と3戦全勝の早稲田大学の試合は、この日先発出場の明治大学・稲見哲行が前半12分に先制点をあげ、唯一の得点を守り切った明治大学が1-0で勝利。首位をキープした。
明治大学・栗田大輔監督は早稲田大学について「ものすごくいいチーム。相手が早稲田大学であるので、首位同士ということよりも、この1試合を通じてしっかりと成長しよう、全力を出し切ってベストを尽くそうというところに両チーム、頭がいっていたようなゲームで、中身の濃い、学びの多いゲームだった」と話した。
全勝については目を向けず、「選手が先週の自分たちよりも、しっかりと修正できていたり、成長したりしているか、一人ひとりの選手が今日100%ベストを尽くしているか、そういうところに目がいっている」と述べた。
勝因については、「一進一退の攻防で1-0というゲームなので、本当に際の部分。最終的な場所でシュートをほとんど打たせていないし、ディフェンスラインも体を良く張っていたし、セカンドボールの攻防も、うちの方が比較的支配できていた」と述べた。
しかし試合内容については、「まだ内容的には満足いくものではないし、完成度は低いが、こういう状況の中で5節ができて、勝ちながら反省できているのがありがたい。選手にとっては学びの多い5戦。まだプレーの精度が低いし、プロに行く選手たちの質も低い。まだまだ私が描いているサッカーには程遠い。去年のチームの完成度が高かったので、そういうところと比べると、まだ1個1個が面白くない。シンプルにサッカーが面白くない」ともコメントした。
さらに「ディフェンスラインで、例えばトラップミスが1個出たとか、パスミスが出たとか、誰もミスしようとはしていないけど、仕事として思えば、ミスしてはいけない場所でミスをすることは、絶対にしてはいけない。そういう甘さを練習の中でつめなきゃいけない」と加えた。
早稲田大学については、「ピッチの中で負けていることとか、そういうところに頭を持っていくのではなくて、90分を通じて本当実直に、このゲーム中で出し切る、やり切る姿勢は本当に学ぶべきだと思った。どちらが勝っているチームなのかなと思う瞬間が何度もあった。うちの選手の方が勝っているのに押されている雰囲気もあった」と評価し、「そういった部分を超えられないと、こういう毎日を積み重ねている早稲田と、まだむらのある明治があと3カ月続いたら、後期リーグでやるときには、きっと早稲田の方が強くなる」と反省を促した。
一方、早稲田大学・外池大亮監督は、「大学スポーツで日本一を目指す意味では、今日は大きな基準に対して、誇れるチャレンジをできた」と試合を評した。
早稲田大学のサッカーは「総合力」であるとしながら、「自分のプレーだけでなく、チーム全体と向き合うことが、全体としてできている。ただの選手としてということだけではなくて、プロ選手になるにしても、社会人としての器をどれだけ持てるか。そこが我々が目指さないといけない基準。その社会性の部分と競技力の両輪を、今すごくうまく回せている。そういう空気感がある。今日の田中雄大、植村洋斗、小倉陽太とか、ただ能力の高かった選手が、ひとつメンタル的なスイッチが入った。そういうことを感じるくらい、ひとつのゲームにみんながかけているというか。その部分は、今回早明戦で明治さんの力も非常に大きかった。大学スポーツは、ただただサッカーをやるだけじゃなくて、ひとつのアイデンティティをしっかりぶつけあっていくだけの可能性、関係にあると思う。そこをJリーグとの違いとして、しっかり示していくのが大事だと思う」と語った。
試合については「ゲームの入り方のところを、より謙虚に、手堅さ、ゲームの動かし方、天然芝に慣れるなど、試合を90分を通して考えるとか。理想を追うだけじゃなくて、しっかり現実を見るというところが、ひとつのかたさとして生まれてくると、結果勝ち点というところの上積みになると思う」と述べ、「選手それぞれの持っている良さは十分に表現できていた。その姿勢はサッカーの楽しさだし喜びだと思う。その手ごたえは、常に試合の中で持っていてもらいたい。そういう意味では非常に満足だけど、ただ悔しい」と敗戦を悔やんだ。
8月2日は、2部リーグの5試合が行われた。
流通経済大学龍ケ崎フィールドでは、全勝で首位を走る流通経済大学と、今節がリーグ2戦目となる東洋大学の試合が行われた。東洋大学が野本幸太の2ゴールで流通経済大学に勝ち、2戦全勝となった。
野本幸太はゴールシーンについて、「(相手の)サイドバックが高い位置とってきて、呼び込んだらチャンスになるなと思っていた。右サイドの横山塁からクロスが上がってくることを確信して、走りこんだところに良いボールが来て、難しい角度のヘディングゴールを決められた」とし、2点目については「狙っていた形。自分にボールが入ったらシュートを積極的に狙っていこうとしていたなかで、トラップがいい位置に置けたので思い切って振っただけ」と、自信を持っているキックでのファインゴールを振り返った。
第5節の試合結果は以下の通り。
【1部リーグ】
桐蔭横浜大学 1-0 順天堂大学
法政大学 3-3 駒澤大学
中央大学 0-3 慶應義塾大学
明治大学 1-0 早稲田大学
立正大学 1-0 国士舘大学
筑波大学 3-0 専修大学
【2部リーグ】
拓殖大学 2-0 日本大学
関東学院大学 2-0 立教大学
流通経済大学 0-2 東洋大学
東京国際大学 5-1 明治学院大学
青山学院大学 1-0 神奈川大学
(文=玉 昌浩)
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