かつてアルビレックス新潟でプロデビューした韓国人選手が、現在はKリーグでトップクラスの年俸を受け取っているのをご存じだろうか。全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースの左サイドバック、キム・ジンスのことだ。
【写真】「甘々すぎる!」キム・ジンスと夫婦ラブラブツーショット
2012年、J1リーグを戦っていた新潟に当時19歳のキム・ジンスは加入した。在籍期間は2シーズン半とそう長くなかったが、リーグ戦では通算66試合に出場し、才能の片鱗を見せつけた。
その後は2014年夏にブンデスリーガのホッフェンハイムへと移籍するも、ドイツでは主力に定着するまでは至らなかったキム・ジンス。しかし、2017年の全北現代移籍で韓国に戻って以降の活躍が目覚ましいという。
ここでは、今年でKリーグ4年目となるキム・ジンスのこれまでと現在を紹介しよう。
Kリーグでの実績を見れば、キム・ジンスが順風満帆なキャリアを送っていることは明らかだ。
まず、加入初年度に2017年シーズンにキム・ジンスは29試合4ゴール5アシストを記録し、チームのリーグ優勝に貢献。Kリーグ・ベストイレブンにも選出された。
その翌年は負傷による長期離脱で7試合のみの出場に終わったが、全北現代はリーグ2連覇を達成。2019年シーズンは再び主力に返り咲き、Kリーグ3連覇の栄光も味わった。
今シーズンも、キム・ジンスがチームの主力であることに変わりはない。第10節でレッドカードを受けて一発退場するアクシデントもあったが、リーグ戦では12試合に出場。アジア・チャンピオンズリーグや国内カップ戦でもここまですべての試合でフル出場を果たしている。
3連覇中のチームを支える左サイドバックは待遇も圧倒的だ。
韓国プロサッカー連盟が2019年末に発表したKリーグ選手年俸では、キム・ジンスが14億3500万ウォン(日本円=約1億4350万円)で韓国人選手最高額を叩き出した。次点の選手との差は約4億ウォン(約4000万円)も離れていた。
今年末に契約が終了する彼はクラブと交渉中とも伝えられており、現在の年俸額をさらに更新する可能性もある。
実力、評価ともに国内屈指の選手へと上り詰めたキム・ジンス。それだけに、未だ果たせていないワールドカップへの出場が望まれる。
キム・ジンスはこれまで2度、ワールドカップ本大会を目前にして離脱を余儀なくされてきた。2014年ブラジル大会では最終メンバー23人にまで選ばれたが、右足首の負傷によって代表を離脱。2018年ロシア大会でも同じく負傷に泣いた。
彼は全北現代で背番号22番をつけてプレーをしているが、その背景にはワールドカップへの思いがある。本人も理由をこう語る。
「(2014年ブラジル大会の)最終メンバー23人に選ばれたときの背番号が22番だった。負傷によって本大会には出られなかったが、ワールドカップの舞台に立とうと頑張っていたことを思い出した。クラブでもあのときと同じように切実な思いでプレーするつもりで、22番を選択した」
次のチャンスは2022年カタール大会。そのときにはキム・ジンスもサッカー選手のピークと言われる30歳を迎える。
新潟ではまだあどけなさの残った青年も、今や韓国を代表する一人の選手にまで飛躍した。今度は韓国代表のユニホームを身にまとい、世界の舞台に飛び立つ番だ。
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