韓国プロ野球のロッテ・ジャイアンツが、プロチームにふさわしくない仕事ぶりをして連日騒がしい。
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7月30日、各機関が発表したロッテ関連の報道資料だけでも5件に及んだ。
中央災難安全対策本部、文化体育観光部、そして釜山広域市は、社稷(サジク)球場での社会的距離確保が不十分だったことに対し、厳重な警告メッセージを伝えた。
さらには、韓国野球委員会(KBO)がセクハラの疑いで賞罰委員会にかけられたロッテ所属の捕手チ・ソンジュン(26)に対する懲戒も加えた。
今回は、去る7月28日に社稷(サジク)球場で起きた件について見てみよう。
厳密に言うと、今回の件はロッテが決して規定違反したわけではない。
ロッテは総収容人数の10%にあたる2450席のチケットのみを販売し、上下左右1席ずつ空けて座れるよう配置も行った。
ただ、試合当日の風景が他とはまったく異なるものだった。ほとんどの座席を開放していた他球団と違い、ロッテは外野席を閉鎖。3塁側に至ってはエキサイティングゾーンしか予約を受け付けなかった。
そのため、同日入場した1000人余りの観客は大多数が1塁側の内野席に座った。最小1mの社会的距離も守られなかった。
球団としては、座席ごとの人気度を考慮した経済的な選択だったかもしれない。とはいえ、紆余曲折の末に有観客試合を再開させたプロスポーツをまたも無観客開催に戻す危機に陥れたという点で、ロッテは現実認識があまりに安易すぎたといっていい。
しかも、ロッテのホームでの観客解禁は後発の方だ。2日前の26日にはチャムシル球場や高尺(コチョク)ドームなどで初めて観客が入場した。
ロッテもその高尺ドームで試合を行っており、27日の休息日を合わせれば計2日間の時間があった。他球団の様子をチェックし、本拠地でシミュレーションを行うには十分だったはずだ。
事態の深刻さを遅れて認識したロッテは急いで謝罪文を発表し、対策案も出した。だが、彼らに対する冷たい視線は、プロ野球界だけでなく他のスポーツからも注がれた。
文化体育観光部は「ロッテはシーズン初の有観客試合で観客席の一部区域にだけ観客を入場させ、社会的距離確保に物足りない様子を見せた。これに対しKBOは厳重に警告し、類似事例の再発防止のため徹底した防疫規則の履行を要請した」と明らかにした。
また、「プロ野球やプロサッカーなど、プロスポーツの競技場内で1m以上の距離を置くこと、座席での飲食禁止、マスク着用の義務など、防疫規則遵守の有無をより綿密に点検していく」と強調した。
熱心に防疫当局に働きかけようやく観客を迎え入れることができたプロスポーツ界の努力が、ロッテの不十分な認識によって一瞬で水の泡になるところだった。
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