韓国プロ野球のSKワイバーンズの2軍で、去る5月に所属選手の無免許運転と先輩後輩間の暴行事件が発生した。
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事件が発覚した直後、球団は当該の選手に罰金1000万ウォン(日本円=約100万円)の懲戒を科した。
ここで問題なのは、球団が韓国野球委員会(KBO)にこの件を一切報告していなかったことだ。
無免許運転と暴行は、KBO事務局に直ちに報告しなければならない事項である。
SKは、事件発生から約2カ月が経った7月13日にようやくKBOに報告をした。自主的に懲戒処分を下したとはいえ、“球団内部で事件をもみ消そうとした”という非難は避けられない。
今回の事件は、2軍所属選手の元彼女がSNSに関連の内容を掲載したことで世間に広く知られるようになった。暴行や監禁について多少誇張された内容もあったが、これらは韓国の野球ファンの間で急速に広まった。
確認された事実は次の通りだ。
まず、今年5月末にSK2軍の新人選手たちは合宿生活を送っていた。その過程で数人の選手が無断で外出し、帰る際に無免許状態で車を運転したという。
その後、先輩2人が彼らをしつける過程で足を蹴るなどといった体罰を与えたようだ。
球団はこの事実を確認した後、問題を起こした新人選手たちを、近くの寺で行われている省察プログラムに入れた。これが、“監禁”と広められた部分である。
SKは7月14日に公式立場を表明。次のように伝えている。
「去る6月7日、球団内で選手の体罰に関する事実を知り、内部調査を進めた。一部の新人選手たちが宿舎に遅れて帰ってきたり、無断外出をしたりした事実が明らかになった。そのため、一部の先輩選手(2人)が新人選手を対象に体罰を与え、軽く胸を叩いたり太ももを蹴ったりする行為を確認した。後輩を戒める目的であったとはいえ、体罰は球団の内規上、いかなる理由からも許されない事案である。球団は先輩選手2人に罰金を科し、強く注意した」
「追加調査の過程で警察には摘発されなかったが、無断外出した2人の選手は帰る際にそれぞれ飲酒運転と無免許運転だったことが確認された。飲酒運転に関しては選手が無実を訴えている状況だ。あまり酒を飲まなかったこと、酔いがさめた状態で運転をしたと供述したこと、血中アルコール濃度を確認できないことなど、情状酌量の余地があるとはいえ、その量に関係なく運転をしたという事実を球団は非常に厳しく受け入れている。無免許運転についても事案の重大さを考慮し、2人の選手に球団及び選手団の規定内で最も重い制裁金を科した」
SKは、問題を起こした2選手に対して懲戒のほかに「教育の側面から、省察の時間と機会を与えるために自己省察プログラムを調べたところ、近くの寺院で関連プログラムを運営していることを確認した。6月16日から7月4日までの3週間、テンプルステイを行わせた」と説明した。
そして、「球団は調査結果、すべての事項を自主的な懲戒事項と判断した。選手団の管理に万全を期せず、当該の選手たちが物議をかもしたことを心からお詫び申し上げる」と謝罪。
最後に、「球団は選手団の管理と意識教育をさらに強化し、関連対策を迅速に作り再発防止に最善の努力を尽くすことを約束する」と伝えた。
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