先週末、韓国では韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)ツアーの今季国内第7戦となる「メッコール・竜平リゾートオープンwith SBS Golf」が江原道(カンウォンド)のバーチヒルゴルフクラブで行われた。
7月3~5日にかけて行われた同大会の賞金総額は、6億ウォン(約6000万円)。大会には韓国のトッププロはもちろん、米国女子ツアーのイ・ジョンウン6や日本女子ツアーを主戦場とするイ・ボミやユン・チェヨンも出場した。
【写真】イ・ボミとユン・チェヨン、華麗なティーショットを披露
イ・ボミは5月のKLPGAチャンピオンシップを含め、今季はすでに韓国ツアーに5試合出場しているが、ユン・チェヨンは今季初の試合出場にして、韓国ツアー出場は2019年8月のハンファ・クラシック以来だった。
日本本格参戦前までは史上最多となる8年連続でKLPGA広報モデルに選出されなど、韓国では“美女ゴルファー”の代名詞とされているだけに、イ・ボミと揃って各メディアがその一挙一動をフォトニュースで伝える注目ぶりだった。
そんな期待に応えるかのように、イ・ボミとユン・チェヨンは奮闘。イ・ボミは最終的に1アンダーで41位タイ、ユン・チェヨンは4アンダーの17位タイで大会を締めくくった。
優勝したのは、キム・ミンソン5。通算12アンダーで優勝した。
キム・ミンソン5とは過去に何度かインタビューしたことがある。
初めて言葉を交わしたのは2015年の春。2012年にプロ転向し、2014年から1部ツアーに昇格すると、1年目でいきなり優勝を経験しており、韓国メディアの間では期待の新人だった。
身長170cmの長身でドライバーの平均飛距離が252.8ヤードだったことから、ついたあだ名は“長打美女”。日本風でいうと“飛ばし屋美女ゴルファー”に近いニュアンスだろうか。
モデルのようなスレンダーな長身ビジュアルもあって、2016年度からは実力と人気を兼ね備えた者が選ばれるKLPGA広報モデルにも選ばれた。
「いつか日本を含め海外でプレーしたいという夢はありますが、まずは韓国で実績を残してからですね」と笑っていたのが昨日のようだ。
だが、2017年4月のネクセン・セントナインマスターズで通算3勝を飾って以降は、今一つ波に乗れなかった。それまで3年連続トップ10圏内をキープしていた賞金女王ランキングでも、2018年は46位、2019年は22位。
今季も新型コロナ禍の中で行われた国内開幕戦のKLPGAチャンピオンシップでは途中棄権。E-1チャレンジカップでは予選落ち、ロッテ・カンタータ女子オープンでは71位タイ、KIA自動車第34回韓国女子オープンでは72位タイ、先々週のBCカード・ハンギョン・レディースカップ2020では予選落ちだった。
それだけに1168日ぶりにして通算5度目の優勝となった「メッコール・竜平リゾートオープンwith SBS Golf」の美酒は格別だったのだろう。安堵の表情で語っている。
「(これまでの成績低迷もあり)実は今季はシード権獲得が難しいかも覚悟をしていましたが、今回の優勝を機にそんな心配も吹き飛びました。これからは結果ばかりに執着せず、ますは置かれた状況に集中し、今季の残った大会も一つひとつ解いていきたい。まだ1シーズンに2勝をしたことがないので、今年はぜひやってみたいですね」
いずれにしても復活した“長打美女”ことキム・ミンソン5。前回紹介したキム・ジヨン2と同様に、キム・ミンソンの登録名には「5」がつくが、ちなみに彼女の場合はキム・ミンソンとしてKLPGAに登録されたのが5番目だからではない。
本人にインタビューした際に尋ねてみると、本来なら「キム・ミンソン4」だったが、本人が「4(サ=死)」の数字を付けることを嫌い、「キム・ミンソン5」になったらしい。
登録名通り、通算5勝は達成した。今後その数字をどれだけ伸ばしていくか、注目したい。
(文=慎 武宏)
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