5月中旬に行われた「KLPGAチャンピオンップ」で再開した韓国の女子プロゴルフツアー。週末には今季国内ツアー第6戦となる「BCカード・ハンギョン・レディースカップ2020」(6月25~28日、賞金総額7億ウォン=約7000万円)が行われた。
大会開幕前日に大会会場に新型コロナ感染者が訪問していたことが発覚し、ハウスキャディに濃厚接触者が1人いたことから公式練習が中止になるハプニングもあったが、タイトルスポンサーはじめ、韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)、競技委員会、選手委員会、主管放送局、ゴルフ場、運営代行会社などすべての関係者の意見を集約させた結果、会場内の施設や人的防疫を強化することで正常通りに行われた大会は、劇的な幕切れとなった。
前日まで首位の座にあったのは、イ・ソミ。3日目を終えて15アンダーで首位に立ち、そのあとを13アンダーのアン・ナリン、イ・ソヨン、パク・ミンジ、キム・ジヨン2が続いていた。
そんな中で抜け出したのがキム・ジヨン2。4連続バーディーで首位に躍り出ると、14番ホールでも15mのロングパットで連続バーディーを決めて優勝に大きく近づいた。が、最終18番ホールでパク・ミンジに並ばれ、通案18アンダーの2人がプレーオフへ。
プレーオフの1ホール目はともにバーディーと譲らなかったが、続く2ホール目でキム・ジヨン2が見事なイーグルパットを決めて優勝した。
それにしてもキム・ジヨン2のように、名前のあとに「2」という数字が付くのは、日本ではなかなかないことだろう。ただ名前のあとに数字がつくのは韓国に同姓同名の名が多いことと関係している。
漢字名もあるものの、ハングル表記が一般的な韓国では同姓同名が実に多い。そうした同姓同名ゆえの混乱を避け、記録上の重複などを避けるために、KLPGAでは入会年数順に番号を振り当てているのだ。
例えばユン・チェヨン、アン・シネらと並ぶ“韓国美女ゴルファー神セブン”で、そのルックスから“フィールドの妖精”と呼ばれるキム・ジャヨンは、同姓同名選手が3人いることから「キム・ジャヨン2」で登録されている。
(参考記事:イ・ボミ、アン・シネ、そして…韓国女子ゴルファー“神セブン”を一挙紹介!!【PHOTO】)
2019年の米国女子ツアーで新人王に輝いたイ・ジョンウン6も同姓同名の選手が登録前に5人もいたため、登録名は「イ・ジョンウン6」となった。
キム・ジヨン2はそのイ・ジョンウン6と同じ1996年生まれで、アマチュア時代の2014年には韓国代表として活躍したあと、2015年5月にKLPGAに入会した。
同姓同名では2番目(ちなみにキム・ジヨン3までいる)ということで「キム・ジヨン2」で登録されているわけだが、その登録名通り、昨季は準優勝4回、最終組で最終日を迎えた回数は9回を数え、そのうち準優勝4回も数えることから「準優勝専門家」「万年2番手」とも言われてきた。
だが、今回の優勝でそんなレッテルも払拭。自身初優勝だった2017年の「NH投資証券レディースチャンピオンシップ」以来、3年1カ月ぶりの優勝カップと賞金1億4000万ウォン(約1400万円)を獲得した。
なお、日本ツアーを主戦場とするペ・ソンウは通算11アンダーで11位タイ、イ・ミニョンは通算4アンダーで49位タイに終わっている。
(文=慎 武宏)
前へ
次へ