すでに250億ウォン(日本円=約25億円)以上が“蒸発”した。問題は出口が見えてこないことだ。
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新型コロナウイルス感染者の一日当たり感染者数が50人前後を記録している韓国では、未だ球場をオープンすることができていない。
多くの球団が選手の削減すらも悩んでいるなか、韓国野球委員会(KBO)も突破口を見出すために苦心している。
韓国プロ野球は例年、観客入場収入で約1000億ウォン(約100億円)程度を記録している。だが、今や入場収入“ゼロ”も覚悟しなければならない。
治療薬やワクチンが見つからない限り、新型コロナの終息は不可能だ。防疫専門家は「夏が過ぎて秋が近づく時点で感染者が再び急激に増加しかねない」と警告し続けている。
“ウィズコロナ”時代においては、無観客試合は選択ではなく必須なのかもしれない。
6月23日に行われた実行委員会(団長会議)ではフューチャーズリーグ遠征試合の最小化が決まった。ここまで入場収入が皆無なだけに、2軍の宿泊費用が負担となる球団が急増したためだ。
結局、北部リーグチームと南部リーグチームが対戦するフューチャーズリーグのインターリーグ試合は日程から削除された。
KBOは「各球団の財政悪化を受け、運営費を削減するためにやむを得ず、フューチャーズリーグの日程のうち来る30日以降のインターリーグの残り117試合を取り消すことにした」とし、「その代わり、選手たちのパフォーマンス維持のため、キャンセルされた試合数の約50%を相対的に距離が短く宿泊の必要性が少ない同一リーグ間での試合に、来月7日以降から再編成することにした」と明らかにした。
KBOは失われた観客入場収入分を取り戻すべく模索を続けている。いわゆる“ドライブスルー”応援戦を通じ、野球ファンに臨場感あふれる応援合戦を提供する計画だ。
広い駐車スペースに大型スクリーンを設置し、ファンは車の中で観戦しながら応援することができる。感染のリスクもシャットアウトし、“団体で応援できる”という形態も帯びる。
チャムシル球場の隣に位置するチャムシル総合運動場の駐車場を活用し、チャムシル球場で行われている試合に合わせて応援合戦を繰り広げられるという話だ。
この“ドライブスルー”観戦について、KBO関係者は次のように述べている。
「現在、ドライブスルー応援戦は草案の段階だ。ひとまず予想よりもスポンサー提案が多く寄せられるものとみられる。自動車メーカーから最初に提案が来たのだが、スポンサーシップの規模は大きくなる見込みだ」
「現実的にすべての試合でドライブスルー応援戦を行うことはできない。まずはソウルのチャムシル球場での試合がメインになるのではないかと思う。チャムシル球場での試合に合わせて応援戦も進行すれば、ファンも実際に球場に訪れているような気分になるだろう」
これは無理のない代案となりそうだ。一塁側、三塁側と区域を分けて応援が行われるように駐車区域を応援するチームによって分け、ステージ上に応援団が立てば自然に大勢で観戦しているかのようなムードが醸成される。
もちろん課題もある。大人数が集まるだけに、試合途中にトイレやコンビニ、飲食店に出入りすれば感染の危険度が上がる。そのため、徹底的な規則は設ける必要がある。あらかじめ管理者を配置し、距離を置いたまま公共施設を利用するよう誘導しなければならない。
このように代案で苦心するKBOも、観客入場への希望は捨てていない。政府の指針を遵守しながら観客の安全も守る安全マニュアルを作成したのだ。
KBO関係者は「今も毎日ファンから“入場を許可してほしい”という電話が来ている。多くのファンが、ウォーターパークをはじめとした施設の入場は認められているのに、なぜ球場には入れないのかと疑問を示している」と話す。
そして、「観客の立場をめぐって文化体育観光部と地道に対話を行い、協議を進めている。現在、野球場は入場することができない公共施設に区分されている。政府が野球場を例外としてくれれば、収容規模の25~30%程度の観客入場を開始させる計画だ」と明らかにした。
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