「セーブ一つすることが難しいということを感じた」
元阪神タイガースのオ・スンファン(37・サムスン・ライオンズ)が、ついに日米韓通算400セーブの金字塔を打ち立てた。
7年ぶりに韓国プロ野球の舞台でクローザーとして登板し、シーズン初セーブを挙げたのだ。
6月16日、チャムシル球場で行われた斗山ベアーズとの試合でオ・スンファンは4-3とリードした9回裏に登板し、無失点で切り抜けチームを1点差勝利に導いた。
オ・スンファンの投球が捕手のミットに刺さるたびにサムスン選手団の歓呼とため息が聞こえるほど、緊張感あふれる瞬間が続いた。
この日、オ・スンファンが400セーブ達成のインタビューを終えた後、サムスンの全選手がハイタッチとセレモニーをともにし、大記録の喜びを分かち合った。
試合終了直後、取材陣の前に立ったオ・スンファンは「セーブする状況でなくても、9回にマウンドに上がって投げてみたかった」と率直な心境を明かしていた。
去る6月9日、キウム・ヒーローズ戦で2442日ぶりに韓国プロ野球復帰登板を果たしたオ・スンファンは、これまで計3試合に出場し2ホールドを記録した。
今回の斗山戦まで、オ・スンファンの成績は3イニング4被安打4四球2奪三振2失点の防御率6.00。クローザーを任せるにはやや不安があった。7年ぶりの国内復帰ということもあり、100%のコンディションではなかったため、適応にも時間を要した。
3回の登板で実戦感覚を取り戻し、ある程度ペースが回復してからは、コーチ陣から「良くなった」という評価を受け始めた。サムスン率いるホ・サムヨン監督も肯定的な報告を受けた後から、当番時期の調整に乗り出した。
この日の試合前、「オ・スンファンの抑えは近いうちに決まりそうだ」とホ監督はほのめかしていた。
セーブまでの過程は順調ではなかった。
斗山戦、オ・スンファンは第1打者のチョン・スビンを三振、続くチェ・ジュファンをレフトフライで仕留め、瞬く間に2つのアウトカウントを挙げたが、その後キム・ジェホとホセ・フェルナンデスに連続フォアボールを許し、一転してピンチを迎えた。本人も「これまで以上に緊張した。ベンチや周辺も緊張していた」と語る。
とても危険な場面だったが、危機克服能力は相変わらずだった。オ・スンファンは次の打者のイ・ユチャンをサードゴロに抑え、無失点で試合を締めることに成功した。
待ちに待った大記録を達成し、本人も安堵したようだ。
「チームのパフォーマンスが良くなっている状況で400セーブを達成できてさらに気持ちが良い。よく当たったようだ。セーブ一つすることが難しいということを改めて感じた」
大きな壁を乗り越え、自信も満たした。「コンディションは100%だと思う。球威も良い。これからもっと強くなりたい」とオ・スンファンは決意を述べた。
この先、オ・スンファンはアジア最多通算セーブ(407セーブ)に挑戦する。現在、元中日ドラゴンズの岩瀬仁紀が保持している偉大な記録だ。
7年ぶりに韓国プロ野球のマウンドに帰還したオ・スンファンの歴史はまだ終わることは無いだろう。
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