韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーの第5戦目が、思わぬアクシデントで早期中止となってしまった。
済州島で開催された「第14回S-OILチャンピオンシップ」(6月12~14日、賞金総額7億ウォン=約7000万円)は、大会期間の悪天候によって18ホールの短縮競技に変更に。
結果、第1ラウンド終了時点で単独首位に立っていたチェ・ヘジンが1位扱いとなる幕引きに終わった。
大会組織委員会は、最終日の14日午後の協議で大会2~3ラウンド中止を決めた。同日、チェ・ジンハ競技委員長は経緯を次のように説明している。
「午前9時に第3ラウンド中止を決定した後、第2ラウンドだけは消化すべくさまざまな案を討議した。第2ラウンドを終了させるためには3時間40分程度を要し、日没予定時間(午後7時45分)を考慮すれば3時には再開する必要があった。だが、今日はもちろん明日も霧のため、可能性を保障できない状況だった」
天候は大会2日目から狂い始めた。
7時ティーオフ予定の最初のグループは、会場30km付近で雷雨があった影響でスタートが3時間遅れ、その後も雨風や霧による遅延が2度発生。12時になってようやくスタートすることができた。
だが、スケジュールが押しているなかで日没時間が近づき、霧も再び深まった。
天気が最後まで味方することはなかった。最終日の午前中は降水量が多く落雷もあり、午後は雨こそ止んだものの濃霧に包まれた。結局、午後3時まで可視距離が確保されなかったため、組織委の決断によって選手たちは荷物をまとめることになった。
悪天候の影響で大会が1ラウンドで終了したのは、強風のため中止となった2012年の「MBNキム・ヨンジュゴルフ女子オープン」以来である。
今大会の賞金分配はKLPGAの内規に沿って行われる。
18ホールの短縮競技の場合、賞金の75%が独自の分配比率表に沿って配分される。つまり、1位のチェ・ヘジンは9450万ウォン(約945万円)の賞金を受け取り、2位から60位までは支給基準に合わせて差等分配され、61~120位は残りの金額を等分する。
“ディフェンディングチャンピオン”のチェ・ヘジンとしては惜しい思いだろう。1ラウンドを9バーディ、1ボギーの8アンダー64でホールアウトした彼女は、十分に2連覇を狙える絶好のコンディションだった。
しかし、悪天候が2連覇への道を閉ざした。18ホールの短縮競技によって公式大会の最低認定要件である「36ホール」を満たせなかったため、第14回大会は“優勝者無し”の扱いとなった。
チェ・ヘジンは記録上こそ1位ではあるものの、連覇記録は途絶えてしまったため、仮に来年の大会で優勝してもタイトル防衛とはならない。
連覇が途絶えたチェ・ヘジンは「一度は必ずタイトル防衛をしてみたかった。1ラウンド時点でコンディションが良く、絶好のチャンスと考えていた」と惜しさを語った。
そして、「長時間の待機もあって大変だったが、再開へ希望を持っていた。だが、天候のため結局このように終わった。残念な気持ちも多いが、良い経験だと思って次の大会の準備をしたい」と次戦に向けて意気込んだ。
チェ・ヘジンのタイトル防衛戦は惜しくも霧の中へと消えてしまった。次戦は「起亜自動車・第34回韓国女子オープン」が6月18日から21日にかけて行われる。
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