韓国Kリーグで6度の優勝を誇る名門・FCソウルが不調だ。
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第5節まで終了し、FCソウルは2勝3敗(勝ち点6)で12チーム中7位に落ち込んでいる。昇降格プレーオフにまでもつれた2018年シーズン(3分2敗)を除き、過去5年間で最も低調な序盤戦だ。
例年、徐々にパフォーマンスが上がる傾向にあるFCソウルを“スロースターター”と呼ぶこともある。
とはいえ、今シーズンほどもつれるようなことはなかった。
最近のFCソウルは、直近の第5節で全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに1-4で完敗し、選手たちの士気まで下がってしまっている。
FCソウルは去る2018年10月にチェ・ヨンス監督を呼び戻して以降、着実に世代交代を試みている。今シーズンもチェ監督が野心的に若手選手を迎え入れ、選手団に活気を吹き込んだ。
ただ、経験の浅い若手が多く入ることで、窮地に追い込まれた際の対処が難しくなる。
モナコやアーセナルでプレーしたパク・チュヨン(34)はじめ、コ・ヨハン(32)やキム・ナムチュン(31)などベテラン勢はいるものの、若返りつつあるFCソウルは揺れ動いている。
守備が崩壊した全北現代戦の大量失点も、経験不足による集中力低下から来たものだ。
チェ監督は守備陣に安定をもたらせる代替資源を探そうと苦心しているが、解決策は見いだせていない。
外国人選手も負傷やコンディション低下で本来のパフォーマンスを発揮できずにいることも、チェ監督の悩みを深める。
しかし、チェ監督は「雰囲気の転換が必要だ。選手たちが下を向く必要はない。自信を取り戻すことが必要だ」と話すと、「我々は全北現代や蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)のようにスカッドに余裕があるチームではない。選手たちに一喜一憂しないでほしい」と強調した。
チームの好転を図るチェ監督は、落胆せずに来る14日の大邱(テグ)FC戦に向けて準備を進めている。
若い選手たちがきっかけさえつかめれば、ベテランとのシナジーでいつでも正常通りの軌道に乗ることができると構想している。
また、開幕からノーゴールと不振にあえぐブラジル人FWアドリアーノ(32)にも力を与えた。
チェ監督は「アキレス腱の手術以降、以前のパフォーマンスを取り戻すために本人が多くの努力をしている」とフォローすると、「その努力を知っているからこそ、これからももっと機会を与える」と信頼を示した。
全北現代戦での交代時にアドリアーノが不満を表したとされている点については、「私も現役時代にすべてを経験したから、選手たちのもどかしい気持ちもすべて理解している」と語った。
チェ監督は未来を見据えている。
彼は現在、リーグ最多失点(9失点)という汚名を持つ守備陣の不振を改善するため、大邱FC戦以降から守備陣にも若い選手を投入するなどの変化を計画している。
今の守備陣にプレッシャーをもたらし、競争の構図を起こそうというものだ。
監督の望み通りにチームが好転すれば、若い選手たちは危機を乗り越えられる方法を悟ることができる。この機会をきっかけに、さらに高いレベルへと成長できるのである。
チェ監督の子どもたちが、低迷している状況を乗り越えて成長することができるか、今後の戦いぶりに注目したい。
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