“逆転の名手”も“天才”の帰還を阻止できなかった。
キム・ヒョージュが3年6カ月ぶりに「ゴルフの天才少女」の誕生を知らせた舞台で、派手な復活を宣言した。
キム・ヒョージュは6月7日、ロッテスカイヒル済州で行われた韓国女子ツアー「ロッテ・カンタータ女子オープン」(賞金総額8億ウォン=約8000万円)の最終ラウンドで6バーディーを記録し、通算18アンダーで首位に立ち、“逆転の名手”キム・セヨンとのプレーオフを制して優勝した。
去る2016年12月に中国で行われた「現代自動車・中国女子オープン」優勝以来、3年6カ月ぶりに韓国女子ツアー通算10勝目(アマチュア時代を除く)を獲得した。
大会が開かれたロッテスカイヒル済州は、キム・ヒョージュが高校2年生だった2012年にアマチュアで優勝し、“天才少女”の誕生を知らせた舞台であっただけに、さらに意味深かった。その時からロッテグループの支援を受け、米国女子ツアーのトップクラスの選手に成長し、今回スポンサー主催大会で優勝したことも意味が大きい。
最終日、赤いパンツを着て数々の逆転優勝を達成した“逆転の名手”キム・セヨンとのプレーオフは、同大会最大の注目となった。キム・セヨンは6月5日の大会2日目にコースレコードタイ記録である10アンダーを記録するなど、非常に手ごわい相手だった。
しかしプレーオフの結果は、意外にもあっけなかった。プレーオフ1ホール目、キム・ヒョージュの3番目のショットがピン横3m地点に止まり、キム・セヨンのチップショットはホールを通って1mほど、転がった。
まずパターを握ったキム・ヒョージュが落ち着いてバーディーに沈めて機先を制した。 すると1m余りの下り坂バーディーパットを残したキム・セヨンは、プレッシャーのためかボールがカップの右を通り過ぎ、勝負のピリオドが打たれた。
2016年以降、「キム・ヒョージュの時代は終わった」という酷評を聞いたりもしたキム・ヒョージュは、「とても久しぶりに優勝して戸惑う。試合を控えて、父が“5アンダーなら延長、6アンダーなら優勝”と言っていたことが思い出され、鳥肌が立った。今回の優勝は再び上昇するきっかけになるようだ」と笑った。
キム・ヒョージュは昨季、米国女子ツアーで準優勝3回など復活ののろしを上げたりもしたが、優勝を目前で逃していたため、気苦労が少なくなかった。冬の間、体重増量に重点を置いて4.5kgほどフィジカルを強化したキム・ヒョージュは、「飛距離が15mほど伸びたおかげで、試合しやすくなった。冬の間、一生懸命準備した効果をすぐに発揮できてうれしい」と明るく話した。
去る4月、所属チーム(ロッテ)選手と合宿をした場所も、今回の大会が開かれたコースだった。5月31日に幕を閉じた「E1チャリティーオープン」でイ・ソヨンが優勝したことに続き、2週連続でロッテ所属選手が優勝を果たし、合宿の成果も見せつけた。
イ・ソヨンは今大会、通算13アンダーでチェ・ヘジンとともに8位タイだった。
米国女子ツアーで活躍中の選手たちが躍進した点と、ベテラン勢が本来の力を見せだし始めた点も、今回の大会で目立った部分だ。
慢性的な足首の痛みで大会出場と棄権を繰り返していたオ・ジヒョンが通算17アンダーで3位に入り、最多出場記録(320試合)を更新中のホン・ランが通算14アンダーの5位タイに奮闘した。
また米国女子ツアー中止によって韓国復帰したイ・ジョンウン6が8位タイ、一時首位に上がったチ・ウンヒが通算10アンダーの17位タイと力を示した。日本女子ツアーで活躍するペ・ソンウは26位タイだった。
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