今シーズンのKリーグを見ると、選手たちの後ろ姿のある部分が目立つ。首の下側に、ユニホームの中から何かが突き出ている。
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これは、選手の移動距離や速度などのデータを収集できるGPSのベストだ。
欧州サッカーではUEFAチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグをはじめ、各国リーグでもすでに導入されている。選手別に走行距離や瞬間最高速度、スプリント回数などのデータは試合終了直後すぐに公開される。
サッカーファンもこのデータを通じて選手の活躍を簡単に比較できるだけに、現代のサッカーではとても普遍化されたものとなっている。
だがKリーグでは、依然として走行距離や最高速度などのデータが試合終了直後に公開されていない。
韓国プロサッカー連盟は昨年、アジア初かつ唯一の「GPS基盤のウェアラブルEPTS(Electronic Performance and Tracking System)」を運営するサッカー科学企業フィットゥギャザーと3年間のスポンサー契約を結んだ。
この契約に伴い、昨年からKリーグでもフィットゥギャザーのEPTSが導入。Kリーグ1・2部の22クラブ中17クラブが、これまでの2年間フィットゥギャザーのシステムを用いて戦略分析を行っている。システムはトレーニングでも活用され、データが蓄積されている。
一方、フィットゥギャザーのEPTSを導入していない残りの5クラブはというと、データの正確性などを考慮し、海外など他企業のシステムを活用している。
このように、一部のクラブだけが異なるシステムを利用している点が、データ公開の足かせとなっているのだ。
また、データ公開に伴う影響も無視できない部分だ。
韓国プロサッカー連盟関係者は「データには個人情報が含まれていて、戦力分析と直結する部分がある。そのため、試合直後の公開が簡単ではない」と話す。
ただし、一定期間蓄積されたデータを発表する方案は検討されているという。
「その週の試合を終えてから一定時間経過後、一部のデータだけを縮約しての発表や、月別や四半期別など期間を分けて公開することも前向きに考慮している」と関係者も明かした。
実際、昨シーズン直後に発刊された「Kリーグ1テクニカルレポート」には、フィットゥギャザーのEPTSを活用した17チームの所属選手の走行距離やスプリント速度に関する統計が記載されていた。
昨シーズン1試合当たりの平均移動距離トップは、1部がパロセビッチ(浦項スティーラース)で12.222km、2部がパク・ジンソプ(安山グリナース)で11.764kmだった。
最高速度トップは、1部がワンデルソン(浦項スティーラース)で35.1km/h、2部がパラシオス(FC安養)で35.8km/hだった。
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