韓国プロ野球に上陸した“フライボール革命”。バッターの打ち方にも変化が?

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近年メジャーリーグ(MLB)で巻き起こった“フライボール革命”が、2020シーズンの韓国プロ野球にも上陸した。

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低反発公認球の余波もあるが、何より“ボールを飛ばせば安打になる確率が高い”という当たり前の発想がスタート地点にある。

開幕直後、KIAタイガースのナ・ジワンはこれまでやっていなかった動作を打席で見せた。

スタンスを取った後、左手にバットを持ったまま腕を投手の方に伸ばす動作を何回か繰り返した。左手首を最大限固定し、ヒッティングポイントからフォロースルーに転換する区間を行き来する動作だ。

打席に入り予備動作をするナ・ジワン

これは去る5月5日に行われたキウム・ヒーローズとの開幕戦で見られた姿だったが、最近では試合前の打撃練習でもこの動作を反復しているという。

ナ・ジワンは球団関係者を通じ、「手首を使わないための自分なりの策」と明かした。インパクトの区間を越え、フォロースルー切り替えるまで最大限左手を固定するという意志を準備動作の時点から表している。

理由は簡単だ。打撃をするとき、手首は大体投手が投げた球の速度と重さに勝つために支える役割をしなければならないからだ。

手首は自分の持つ力を極大化できるスイングの軌道を維持するのにも使われる。ボールとバットがぶつかるまでの間に手首を過度に速く曲げると、スイングの軌道に変化が生まれてしまう。

インパクト直後のナ・ジワン。左手首の形が予備動作とほぼ似ている

右手に力が入りすぎるといわゆる“覆うスイング”になり、かえって左手が強いと“チキンウィング”になったり、自然なバットリリースができず飛距離を失ったりしてしまう。

「左手首をすぐ離してしまうとサードゴロになる確率が高い」と説明するナ・ジワン。元々パワーがある分、バットのヘッド角を活かしてスイングする傾向を考慮すれば、左手首の微細な動きだけでもトップスピンがかかった打球を創り出せる頻度が高い。

打球に最大限回転をかけてヒットを生むため、彼なりに模索して編み出したものとみられる。

他の選手の打ち方にも変化が

手首の靭帯損傷でリハビリ中のカン・ベクホ(KTウィズ)も、昨シーズンとは異なるスイングで注目を集めている。

カン・ベクホはインパクトの後、バットを空に投げるような動作をする。その姿が、かつての韓国プロ野球で活躍したヤン・ジュンヒョク独特の“万歳打法”を想起させるという。

このことについて、KTを率いるイ・ガンチョル監督は「(カン・)ベクホは右投左打で右手の力が強いため、バットを投げ飛ばすようなスイングが多いと本人は判断しているようだ。春季キャンプのときから最大限手首を使わずに打球に力を載せる努力をしてきており、そこで見つけた動作だ」と説明している。

“万歳打法”に似た打ち方をするカン・ベクホ

一方、速いスイングスピードを持つ他の韓国プロ野球選手は少し違った方法で“フライボール革命”に参加しているようだ。

スイングの軌道自体がアッパーブルの形もあるが、ボールとバットが当たる瞬間に“パワーハンドル”と呼ばれる、左手のひらを打球の方向へ突き出すような動作をする。

ボールの中心より下側をターゲットにして、ボールを飛ばせるようバットで押し込むような動作に見えることから、“まるでボールが来た道をバットで追っていく”ようとも例えられている。

フォロースルー後も腕とバットが一直線になっている(写真は斗山ベアーズのチェ・ジュファン)

日本プロ野球で3度の三冠王(首位打者・最多本塁打・最多打点)に輝いた落合博満氏(66)は、「ボールを浮かべるにはバットがボールの下を通るようにスイングすれば良い。ボールの中心部よりやや下に当てて力と軌道を維持すれば、打球に回転がかかって飛んでいくほど浮き上がる」と強調したことがある。

実際、落合氏は自身が述べたスイング方法で、ロッテオリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)時代の1985年と1986年に2シーズン連続50本塁打突破を達成。通算510本塁打の1564打点、打率0.311という偉大な成績を残している。

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