「他の新人が勝ち続けているのに、私はそこに入り込めなかった。悔しさを吹き飛ばしたら涙が出た」
“未完の大器”と呼ばれたパク・ヒョンギョン(20)が、ついにメジャークイーンへと華麗に躍り出た。
【関連】「KLPGAチャンピオンシップ」で海外メディアも注目した“次世代セクシークイーン”とは?
世界ランキング1位の“女王”コ・ジンヨン(24)のアドバイスと、ツアープロ出身で自身のキャディを務めた父親の助力、そして自らの努力によって得られた結果だ。
昨年の韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーは、4月の開幕戦から“スーパールーキー旋風”が吹き荒れた。「ロッテレンタカーオープン」チョ・アヨン(19)が優勝をかっさらうと、イム・ヒジョン(19)ら他のルーキーもそれに続いた。
当時、パク・ヒョンギョンも“スーパールーキートリオ”の一人として脚光を浴びていたが、同期と比べて勝ち運に恵まれなかった。
だからこそ今回、5月17日に閉幕した「KLPGAチャンピオンシップ」で3打差の劣勢を覆し、痛快な逆転優勝を果たしたパク・ヒョンギョンが、大粒の涙を流した理由はそこにある。
パク・ヒョンギョンは「昨年と比べて心理的にはるかに強くなったと思う。追われる心と頑張りたい気持ちが衝突した。もう2年目だし、昨年の経験を生かしてまた違った心持ちでプレーしたかった」と説明。そして、世界ランキング1位のコ・ジンヨンの名前を挙げた。
コ・ジンヨンは自他共に認める“貪欲の塊”だ。スイング練習の途中に吐いてしまうほど、強烈な“トレーニングマニア”である。
だが、コ・ジンヨンはこの練習によって堅固なスイングを作り上げ、米女子プロゴルフ(LPGA)ツアーを制する動力を手に入れた。彼女は「人だから試合をすると欲が出てしまうことがあるが、それを避けようと努力している。毎試合、毎ショットにゴルフをしていることへの感謝の気持ちを込めたことが、良い結果につながった」と話す。
優勝を渇望していたパク・ヒョンギョンは昨冬、同じコーチ(イ・シウ)を持つコ・ジンヨンと合宿トレーニングをともにし、心理的に大きな助けを得たという。
このことに、パク・ヒョンギョンは「ジンヨンオンニ(姉さん)がそばで助けてくれて、アドバイスもしてくれたのが大きかった」と振り返った。
具体的なアドバイスはあったのだろうか。
パク・ヒョンギョンは「最終ラウンド前、オンニ(コ・ジンヨン)に電話したら“優勝するな”と言われた。オンニはいつも優勝しようとは考えずにプレーしていると。自分ができることに集中して、あとは天に任せろと話してくれて力になった」と明かす。
目標が見えると欲が出てしまうものだ。一貫したスイングは力を抜くことから始まる。欲が生じれば無駄な力が入るし、雑念を抱えたままではスイングに集中することもできない。
パク・ヒョンギョンは「本当に多くの方が助けてくれた。自分一人では優勝できなかった。スイングのサポートをしてくれたイ・シウコーチ、いつもそばで見守ってくれた両親、ファンの応援が集まって実現した成果」と感謝を表すと、以下のように続けた。
「大会中、終始“すべてに天の意志がある”という考えをしていた。バーディでもボギーでもありがたいと考えた。シーズン前の目標は“初優勝”だったのに、もう実現した」
今回の初戴冠でようやく“未完の大器”という汚名を返上したパク・ヒョンギョン。今後のさらなる活躍に期待したい。
前へ
次へ