Kリーグのとあるクラブが、念願の開幕を目前に発生した予期せぬ交通事故によって不安なスタートを切ろうとしている。
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去る4月29日、尚州尚武FC(国軍体育部隊)の選手数人は新型コロナウイルス感染症検査のため、聞慶(ムンギョン)市の国軍体育部隊から車に乗り、尚州市の選別診療所に向かっていた。
しかし午前10時頃、国道沿いの交差点で選手たちが乗った車が信号違反をした1tトラックと衝突。選手が乗った車両は衝突後、ガードレールにもぶつかった。
この車両には、U-20ワールドカップなどで活躍したオ・セフンをはじめ、チョン・セジン、キム・ボソプら5人の選手が乗っていた。事故直後、選手たちは聞慶市の2つの病院に移送され、精密検査を受けたが、交通事故による外傷はないことが確認された。ただ被害車両が大破するほどの衝撃を受けたため、2日間入院治療を受け、ひとまずチームに復帰した。
だが、選手たちはまだ交通事故の衝撃から抜け出すことができていないようだ。最近も病気休暇を取り、外部の病院で治療を続けているという。
クラブ関係者は「入院治療のために病気休暇を取ったと聞いている。事故に遭った選手たちは、しばらくチームに合流するのは容易ではなさそうだ」と伝えた。
ここで問題となるのは、事故によって離脱したオ・セフン、チョン・セジン、キム・ボソプの3人が、尚州尚武で唯一プレーするU-22枠の選手であることだ。
尚州尚武は今シーズンから、他クラブと同じくU-22選手の義務出場規定の適用を受けることになっている。そのため、オ・セフンら“ヤングガン三銃士”をチームに迎え入れていた。
にもかかわらず、開幕を10日前に控えて発生した交通事故によって、尚州尚武はU-22選手義務出場規定を守れない状況に追い込まれてしまったのだ。
尚州尚武は現状を韓国プロサッカー連盟に説明し、規定適用の猶予を要請した。しかし、連盟は理事会を通じた承認があってこそ可能なため、手続き上難しいという意見を示した。
結局、尚州尚武はこのまま5月9日に迎える2020シーズン開幕戦の蔚山現代戦を戦うと、ペナルティを受けてしまう事態になっている。
Kリーグでは、U-22選手の義務出場規定を破ったクラブにペナルティが課される。
尚州尚武が出場選手リストに22歳以下の選手を含めなかった場合、エントリー数は18人から16人へと縮小、交替枠も3枚から2枚へと減る。ペナルティが采配に及ぼす影響はとてつもなく大きい。
関係者は「選手たちは交通事故のために筋肉が正常ではない。規定を守るために無理に出場を強行してしまえば、より大きなけがにつながる恐れがある。コンディションを完全に取り戻せるまでは治療に専念しなければならない」と述べた。
まさに“泣きっ面に蜂”の尚州尚武だが、無事に新シーズンの開幕を迎えることができるのだろうか。
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