Kリーグ開幕でも「スポンサー誘致は不可能」各クラブが過酷な財政事情訴える

2020年05月07日 サッカー #Kリーグ
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Kリーグ開幕でグラウンドには春が訪れたが、各クラブはまだまだ“コロナの影”と向き合わなければならない。

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新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、“無観客試合”で正常開催を図ったKリーグ。しかし、各クラブは解決しなければならない課題が未だ山積み状態となっている。

事務局内で新型コロナの影響を直撃した部署や関係者は、今後の推移が容易に把握できない状況もあって、さらに頭を抱えている。

特に広報・マーケティングと、プロスポーツクラブの存在価値を証明する地域密着型社会貢献活動(CSR)などの担当は、多様なプランを構想し、代替案の模索に努めている。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)

大多数のクラブの間で、“2020シーズンのスポンサー営業は事実上不可能”という見解が出ている。

Aクラブの関係者は「あるスポンサーは、契約事項を今年ではなく来年に変更してほしいと要請した。地域住民向けの広告を目的とした他のスポンサーも、無観客開幕を受けて調整が不可避な立場だ」と述べた。

また、Bクラブの関係者も「皆が厳しい状況だから、スポンサーと見解を狭めるのは容易ではない。契約を控えているスポンサーからは、リーグ延期と試合数減少を理由に契約不可の通知を受けた。開幕以降も各企業の状況は厳しく、スポンサー誘致は不可能に見える」と強調する。

「昨年に比べて30%も…」

シーズンチケットなどチケット販売担当者は、購買者からの払い戻し手続きや方法をめぐり、どうすることもできない事態にいる。

まず、観客入場の解禁がいつになるかわからない。ここに加えて、今シーズンは予想よりも大幅にリーグ試合数が縮小された。

当初、いくつかのクラブは試合数縮小が5~6試合程度であれば、シーズンチケットの購入者にマーチャンダイジング(MD)商品の割引やF&B(Food&Beverage)クーポンの支給、同伴入場券の恩恵などでの補償を考えていた。

しかし、予想以上の縮小によってそれもままならない。だからと言って、キャンセルとなった試合数に合わせて払い戻しをするわけにもいかない。シーズンチケットは、ただ入場券の役割を果たす以外に、クラブのさまざまな価値を盛り込み多様な特典やイベント商品を贈呈するからだ。

Cクラブの関係者は「シーズンチケットの払い戻しは韓国プロサッカー連盟の規定が無い。あくまで各クラブの地域状況を考慮し、自主的に販売してマーケティングを展開するため、内部で処理しなければならない悩みが多い」と述べた。

新型コロナの余波でシーズンチケット自体の販売量も激減している。

関係者は「昨年に比べ30%もシーズンチケットの販売が減った。例年ならシーズン序盤まででも関心を見せるファンが多いが、今年は3~4月の販売が1件も無く、逆に払い戻しに関する問い合わせだけが来る状況だ」と明かした。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)大邱FCの本拠地DGB大邱銀行パーク

そんな中、大邱FCは4月29日、Kリーグクラブで唯一2020シーズンチケットとスカイパスの購入者に対する全額払い戻しの方針を発表した。

Kリーグで最も小規模なスタジアムという特性もあるが、今シーズンの状況が流動的で、明確な払い戻しの指針をまとめることが困難であることから、前述の決断を下した。

とはいえ、大邱は昨シーズン達成した9度のチケット完売を受けて、意欲的にスカイパスを準備していたことから、残念さは人一倍大きいだろう。

「今はCSRよりもシーズン完走を…」

CSRに至っては答えが見つからない。

新型コロナによって地域イベントや独自のプログラムがすべてキャンセルされたため、クラブがまた別個に行動を起こすこともできない。政府が示した生活防疫体制への転換によって、多少の風穴は空いたものの、地域別に慎重にならざるを得ない状況だ。

無観客の親善試合をスタンドから観戦する選手たち

基本的にほとんどすべてのクラブが行ってきた地域の子どもを対象とするサッカークリニックやボランティア活動は現在、中止状態にある。

Dクラブの関係者は「対面なしにボランティア活動をする案を模索している。ただ、今はCSRよりもシーズン完走を優先して目指さなければならない」と吐露した。

Kリーグの開幕が全世界で注目されている一方、各クラブの財政が厳しい状況に置かれているのに変わりはないようだ。

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