5月5日の韓国プロ野球開幕に合わせて、放送局の中継カメラが1、3塁ダッグアウトなどグラウンドに移動する。
中継カメラは練習試合のときは、新型コロナウイルスを考慮してスタンド上の観戦席に位置した。
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開幕を目前に中継カメラを選手たちに接近させることは、「ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つ」こととは逆行する。
そもそも1、3塁の取材席は、ダッグアウトのすぐ隣に位置する。カメラマンやラインマンなど中継チームがダッグアウト後方に移動するときは、選手たちと動線が重なることになる。
防疫に万全を期そうとする野球関係者の意思に反する。
中継チームはそれに満足せず、ホームランを放った選手のフォローも再開する。ホームラン打者がホームを踏む姿からダッグアウトに入るまで続くセレモニーを、カメラマンが密着中継するということだ。これは新型コロナ感染拡大防止のための報道準則とも反する。
万が一でも中継チームから感染者が発生した場合、苦労の末に開幕する韓国プロ野球は、再び難しい状況に直面することになる。取材と映像に対する欲は、コロナの防疫よりも優先されてはならない。
しかしリーグを総括する韓国野球委員会(KBO)の立場では、放送局の中継方式に強く反対することは難しい。3つの理由がある。
まず放送局は、KBOに中継権料を支払う主体だ。次に選手たちの安全も重要だが、視聴者に良い映像を提供する義務がある。最後に米スポーツチャンネルESPNなど海外からの関心も集まる状況で、さまざまなシーンの映像は競争力そのものになるからだ。
KBOの関係者は、「中継チームの人員はマスクを着用し、中継装置はすべて消毒する。また動線がなるべく重ならないように気を使っている」と述べた。しかしKBOは一歩踏み込んで、問題発生時の求償権請求まで念頭におく必要があるだろう。
また中継チームが接近した撮影に入ると、他メディアとの公平性にも反する。
カメラマンたちは練習試合ではダッグアウト横の取材席でなく、スタンド上部の網目の後ろから写真撮影を行った。開幕戦でも同様にする計画だ。
韓国スポーツ写真記者協会は、「韓国野球とプロ選手の保護が優先だ。メディアといっても距離を保ち、新型コロナの感染拡大防止に参加しなければならない。これは社会的に公論化された部分である。放送中継が防疫の価値より優先されることはあってはならない」と、立場を明らかにした。
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