タイガー・ウッズは全米プロゴルフ(PGA)ツアー選手たちにとっても羨望の対象だ。
彼の一挙手一投足はいつも話題を呼んでいるが、ウッズから直接温かい励ましの言葉を聞いた、とある中年ゴルファーの武勇伝がある。
アメリカのゴルフチャンネルは4月28日(日本時間)、60歳のマーク・カルカベッキアの“ウッズ・エピソード”を公開した。
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現在、シニアツアーで活躍しているカルカベキアは、2007年のツアー選手権でウッズとともに最終組で最終ラウンドに臨んだ。
最初のホールはバーディーで勢いづいたカルカベッキアだが、当時のウッズは“宇宙最強”。18番ホールのティーグラウンドに到着したとき、すでに8打差をつけてウッズの優勝が確定していた。
当時47歳だったカルカベッキアは2位でも良いと最善を尽くした。ツアー選手権は他の大会より賞金規模が大きかったからだ。
パー3だった18番ホールで2.4mのパーパットを準備していたカルカベッキアに、ウッズが近づいてきた。
「重要なパットです。ゆっくり準備して入れてください」と囁いてきたウッズ。彼の応援を受けたカルカベッキアは、パーパットを成功させ、2位タイで大会を終えた。
当時、2位の賞金は61万9500ドルで、3位の40万9500ドルより21万ドルも多かった。さらに3位に落ちていたならカルカベッキアはプレーオフ順位も落ちる危機だった。シーズン全体のポイントレースで8位に終われば60万ドルのボーナスを手にできるが、この大会で3位に終わるとポイントレースでも順位を落とし、55万ドルに減額される。
パーパットを逃していたら3位タイに後退する危機だったが、カルカベッキアはウッズの応援のおかげで準優勝の喜びを満喫した。
「ウッズはあのパットが重要だとわかっていた。彼の温かい一言もあってパットを成功させ、より多くのお金を預金口座に入れることができた」と嬉しそうな表情で懐かしむカルカベッキア。
ウッズがフェアウェイの上では冷徹な勝負師であっても、同僚選手たちから憧れの対象として評価されるウッズの人間力が伝わるエピソードだ。
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