“両チームの握手”や“肩を組んでの円陣”といった。試合前によくみられる光景はそこにはなかった。
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新型コロナウイルス感染症の事態の中、開催が予定されているKリーグは、こういった風景が不通になるのかもしれない。
4月23日、仁川サッカー競技場で仁川ユナイテッドFC対水原FCの親善試合が無観客で行われた。
韓国内で新型コロナの拡散が落ち着きつつある中、政府は来る5月5日から“社会的な距離置き”から“生活防疫”に突入することを宣言した。これに伴い、Kリーグの開幕もすぐそこに迫ってきている。
4月24日には韓国プロサッカー連盟理事会が行われ、5月中(9日もしくは16日)の開幕に関する日程を確定する。
とはいえ、新型コロナが完全に終息したわけではないため、今回の親善試合も選手間の接触を最小限にした状態で行われた。
試合開始前、選手は入場の際に着用していたマスクと手袋をゴミ箱に入れ、グラウンドに並んだ。選手間の間隔を空けた状態で、主審が両チームの選手のスパイクやシンガードの確認を行った。
特筆すべきは、“フェアプレー”を約束する意味で行われる両チームの握手が省略されたことだ。また、チームメイト間の身体接触も最小限に抑えるためか、肩を組む姿も見られなかった。どちらも新型コロナ感染拡大を防ぐための対策だ。
とはいえ、両チームの選手は約1カ月ぶりの親善試合で実戦感覚を積むことができたようだ。試合中には選手たちが大声でチームメイトを呼ぶ姿も見られた。
試合は1-0で水原FCが勝利している。
試合中にはこんなエピソードもあった。後半に入る頃、どこからか仁川ユナイテッドFCの応援歌が聞こえてきたのだ。声の主は幼い少年たちだった。
声が聞こえるところへ行ってみると、固く閉ざされたスタジアムの鉄格子の外側に、仁川ユナイテッドFCのユニホームを着た小学生とみられる2~3人の少年が、応援歌を歌っていた。
少年たちは“社会的な距離置き”を意識してか、お互いに離れた応援歌を歌っていた。
シーズン開幕以降も無観客試合となる可能性があるKリーグだが、少年たちの応援歌は新型コロナによって凍り付いたスタジアムを溶かしてくれているようだった。
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