サッカーというスポーツでは、 “コンバート”によって従来のポジションよりもさらなる活躍を披露した選手が数多くいる。
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だが、言葉でいうほど簡単なものではない。各ポジションで要求される能力が異なるだけでなく、慣れ親しんだポジションを変更することのリスクも存在するからだ。
今回は、コンバートによって見事成功をつかんだ韓国Kリーグの選手を紹介する。
まずは現在、上海申花コーチを務める元韓国代表DFパク・ゴナ(48)。
彼は去る2000年3月、柏レイソルに「故障選手の補充要因として」3カ月という短期間のみ期限付き移籍をした選手でもある。
そんなパク・ゴナは、フォワードからディフェンダーにコンバートし、成功した選手だ。
1996シーズン、水原三星ブルーウィングスに加入したパク・ゴナはフォワードを主戦場としていた。しかし、2002シーズンに水原三星がセンターバック不足に直面したことで、センターバックへとコンバートされることになった。
パク・ゴナは自身も経験したポジションということもあり、フォワードの心理を読む鋭い守備を披露。引退する2006年まで安定した活躍を見せた。
逆のケースもある。現在、Kリーグ通算得点ランキングで3位につけている韓国代表FWキム・シンウク(32・上海申花)は、プロデビュー以前までセンターバックでプレーしていた。
だが、2009年に蔚山現代FCに加入した際、チーム内のフォワードの相次ぐ負傷もあり、当時のキム・ホゴン監督の指導によってフォワードへとコンバート。
すると、198cmの長身を誇るキム・シンウクの才能はフォワードで開花した。その後、2019年に上海申花に移籍するまでKリーグで350試合132ゴール31アシストを記録した。
ゴールキーパー以外のすべてのポジションでKリーグのベストイレブンを受賞した選手もいる。キム・ジュソン(54)とユ・サンチョル(48)がその主人公だ。
1987年、大宇ロイヤルズ(現・釜山アイパーク)にフォワードとして加入したキム・ジュソンは、デビューシーズンに28試合10ゴール4アシストを記録した。
そして、フォワードとミッドフィールダーとして各一回ずつ(1987、1991シーズン)ディフェンダーとしては3回(1996、1997、1998シーズン)、ベストイレブンに選出された。
そんなキム・ジュソンは1992~1994年にドイツのVfLボーフムでプレーし、代表でも通算76試合14ゴールを記録。国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)選定のアジア年間最優秀選手賞を3年連続(1989~1991年)で受賞した。
現在は東アジアサッカー連盟の事務総長を務めている。
かつて横浜F・マリノスや柏レイソルで活躍したユ・サンチョルもやはり、フィールドプレーヤーのすべてのポジションをこなした選手だ。
ディフェンダーとしては1994年、蔚山現代FCでのデビューシーズンでベストイレブンに名を連ねると、その4年後にはKリーグ得点王に輝き、ベストイレブンにもミッドフィールダーとして選出された。
その後、2002年にはフォワードとしてベストイレブンに選ばれた。
引退後、指導者としてのキャリアを進めたユ・サンチョルは、仁川ユナイテッドFCの監督を務めていた2019年11月にすい臓がんであることを公表。
同年限りで監督を退任し、現在は治療に励んでいる。
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