突然の再開宣言だ。
それも新型コロナウイルスの感染拡大で多くのプロスポーツが中断しているなかで、最初に再開に踏み切るのが女子プロゴルフになるとは思わなかった。
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ほかでもない韓国の話だ。韓国女子プロサッカー連盟(KLPGA)は4月16日夕方、韓国女子ツアーの今季メジャー初戦となる「KLPGAチャンピオンオンシップ」を5月14日から開催すると発表した。
筆者のもとにもKLPGAからのプレスリリースが届いたが、最初は驚いた。
というのも、前日4月15日の午前中には「NH投資証券レディース」(5月15~17日)、「斗山マッチプレー・チャンピオンシップ」(5月20~24日)の開催中止の知らせが届いたばかり。
しかもKLPGAチャンピオンシップは4月3日に一度、中止が発表されていたのだ。
KLPGAチャンビオシップはKLPGAが発足した1978年から行われてきた大会で、過去には全美貞(2002年)、申ジエ(2008年)ら現在は日本女子ツアーを主戦場とする選手たちも優勝したビッグタイトルである。
2015年大会では、韓国はもちろん、日本でも“セクシークイーン”の名で知られるアン・シネも優勝している。
今年は4月30日から4日間にかけて開催される予定だったが、新型コロナの問題で中止となっていた。それがなぜ一転して開催することになったのか。プレスリリースにはKLPGAのカン・サンリョル会長のコメトンとして、こう記されている。
「アメリカのPGAツアーとLPGAツアーが導入を決めた賞金先払い制度など、我々もツアー中断で困難な状況にある選手支援に関するさまざまな案を長い間悩んできた。
その結果、協会が先頭に立って大会を開催することが、選手だけでなく、スポンサー、放送局などゴルフ産業関係者にも最も良い案だという意見で一致した。
1997年の国際通貨基金(IMF)事態で皆が厳しい時期を送るとき、朴セリが全米女子オープンで“素足のショット”の闘魂を見せて国民に夢と希望を与えた。韓国だけでなく全世界のゴルフファンへの励ましになることを心から祈っている」
相次ぐツアー中止・延期で収入面でも苦境に立つ選手たちへの支援の意味も込めて、開催を決めたというわけだ。
大会の開催場所も、無観客で行うかどうかについてもまだ未定だが、「第42回KLPGAチャンピオンシップ コロナ克服、韓国ファイト!」という副題付きで開かれ、賞金総額23億ウォン(約2億3000万円)、優勝賞金1億6000万ウォン(約1600万円)で行われるという。
気になる出場エントリー選手数は、これまで試合がなかったことを考慮して本来よりも大幅に増やした144人。2020年の韓国女子ツアー出場資格を持つ選手ならエントリー可能だという。
つまり永久シード権を持つ全美貞、イ・ボミ、申ジエ、アン・ソンジュ、李知姫なども出場可能となる。
彼女たちの出場に関してはまだ報じられていないが、今季からKLPGA1部ツアーへの復帰が決まっている“次世代セクシークイーン”ユ・ヒョンジュなどは間違いなくエントリーするだろう。
いずれにしても韓国では女子プロゴルフが再開となる。
KLPGAは開催の趣旨に合わせて、大会に出場した選手全員が賞金を受け取れるようにする予定だという。
また「新型コロナ状況が穏やかになっているが、KLPGAは選手、関係者、ゴルフファンの安全を最優先に考慮し、新規感染者数や韓国政府の生活防疫転換態勢、推移などを慎重に見て状況に合う大会を開催するように努力する」とも念を押している。
すでに5月下旬の大会中止が決まっているだけに、今回の再開は単発的なものでもあるが、今後の動向に注目してきたい。
(文=慎 武宏)
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