韓国野球委員会(KBO)は去る4月7日の緊急実行委員会(オーナー会議)を通じ、感染拡大の勢いが収まるまで、観客を入れずに試合を行う立場を明らかにした。
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幾度の開幕延期でオフシーズンが長引いたことで、韓国の野球ファンにとっては無観客試合でさえも恵みの雨だ。
しかし、選手は少し違った考えだという。
これまで、ルーキー時代や2軍のときでも、少数ながら球場を訪れる観客は毎回いた。海外での春季キャンプでも、現地の海外同胞や熱狂的なファンは合宿地まで駆け付け声援を送っていた。
だからこそ、プロ生活初の“無観客試合”を受けて「応援歌でもあったらいいのに」といった声が上がっている。
近隣国の台湾では4月14日にプロ野球が開幕したが、前述のような空白を埋めるべく、スタンドに観客の代わりにマネキンを立て、穴埋めしているという。
来る4月21日からの交流戦も無観客試合で行わなければならないKBOも、その悩みは深いようだ。
ファンの間では、応援歌を大きく流したり、応援団だけでも球場内に入れて臨場感を創り出したりしなければならないという意見もあった。しかし、それらを実行に移すには困難が伴う。最少の人数であれ、人が集まる場所には“集団感染”のリスクが生まれるからだ。
“新型コロナ・タスクフォース(TF)”観客関連業務を担当する斗山ベアーズのマーケティングチーム長であるイ・ワンドン氏も頭を悩ます。
「選手も無観客試合と関連した難しさを吐露した。“空いた観客席で応援歌ばかり流しても、かえって雰囲気が憂鬱にならないか”という意見もあった。現時点ではまだ何も決まっていない状況だ」と明かした。
韓国プロ野球10球団の意見がそれぞれ異なるという点も悩ましい。
選手の集中力維持のため、静かな雰囲気で試合を行おうというチームもいれば、多少の臨場感は必要と主張するチームもある。
イ・ワンドン氏は「静かに開催するのが正しいと述べる球団もあれば、応援団やアンプを投入すると明かしたところもあった。KBOP理事会で話を聞いた限りでは、球団ごとで考え方も違うようだ」と話す。
こうした意見の差を埋めるため、IT技術を駆使した音声効果も考慮されている。しかし、試合の状況に合わせて適切に音声が流れるかが問題だ。
「IT技術を通じて応援団や観客の声をリアルタイムで流すことも悩んだ。だが、時差が5秒以上も発生してしまう」と語るイ・ワンドン氏は、「タイミングが合わない。先頭打者がヒットで出塁したにもかかわらず、次のバッターが打席に立ってようやく歓声が流れる状況も生まれかねない」と危惧した。
ともあれ、詳細な事項は4月14日のKBO理事会で開幕日が定まり次第、決定する予定だ。まずはすべての代案をシナリオに入れ、実務陣による討議が行われる。
イ・ワンドン氏は「応援団の収益も0ウォンという状況だから、解決すべき事柄は多い。日程が決まれば、無観客を考慮し現実的な議論を行うだろう」と付け加えた。
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