韓国Kリーグが“ケガの詳細”や“契約年数”を公開しない理由とは?

2020年04月14日 サッカー #Kリーグ
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韓国Kリーグファンがシーズン中に抱く懸念の一つとして、選手の負傷有無が挙げられる。

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応援している選手の欠場理由が主力から外れたからなのか、ローテーション要因だからなのか。もしくはどこかを痛めてしまったからなのか、Kリーグでその理由を正確に知ることは難しい。

監督が直接言及し、メディアを通じて知らされる場合もあるが、それすらも正しくない事例も多い。そうでない選手は情報すら出回らないのがKリーグの実情だ。

長いシーズンの間、選手にとって大小のけがは付き物だ。しかし、具体的にどこを負傷したのか、回復にどれだけ時間を要するのか、出場はいつ可能なのかを確認する方法が無い。ファンの“知る権利”が、Kリーグでは十分に保障されていないのだ。

負傷を公開しないKリーグの裏側とは

その理由として、Kリーグの閉鎖的な慣行がある。各クラブが戦力の露出を憂慮し、選手の負傷を隠す傾向があるのだ。

あるクラブの広報担当は「SNSを通じてファンが選手の負傷状況を尋ねる場合が多い。広報としては、公開しても別に良いと思う人もなかにはいる」と話す。

しかし、「負傷の公開可否は広報が決めるものではない。特に、監督の許可なしでは知らせるのが難しい構造だ。どうしても負傷は出場可否と直結するため、監督や上層部は公開もためらう雰囲気がある」と内情を明かした。

負傷して出場が不可能になれば、対戦相手がそれを受けて新たに戦略を練る可能性がある。ならば、あえて公開する必要性は無いという意味だ。

仮に正確な情報を提供できなかった場合に問題になりかねないという点も、負傷の公開を躊躇わせる要因として挙げられる。負傷の回復が公示通りにならなかった場合、メディカルに批判が飛ぶ恐れがあるからだ。

「言い訳には近いけれども」と話す関係者は、「負傷は非常に敏感な事案だ。選手や医療スタッフなど多くの人が関連しており、簡単に言及することできない。例えば、3週間の負傷と公示したのにそれ以上時期が延びれば、“負傷管理はどうなっている”と批判も飛ぶだろう」と説明する。

欧州やJリーグでは公開が当たり前だが…

さまざまな理由があるとはいえ、サッカー先進国では負傷の公開がほぼ義務化されていることを想起する必要がある。

プレミアリーグでは、負傷者が発生した場合、まずクラブ公式ホームページで内容を公示。その後、プレミアリーグ公式ホームページでもリンクがつながり、最大限の多くのサッカーファンにニュースが伝えられる。

他の欧州リーグや、隣国のJリーグでも同様だ。そのため、ファンが良く接するプレビューや選手情報サイトでも、負傷箇所や復帰時期などが具体的に表記されている。何回かクリックさえすれば、選手の状態を知れるという構造だ。

Kリーグのように戦力の露出を恐れず、些細なことでもファンの“知る権利”を満たすため、負傷に関するニュースも積極的に発信されている。

ファンにとって選手の負傷は気がかりだが…

似たような脈絡で、Kリーグは選手の契約時に契約期間を公開しない場合が多い。欧州リーグや韓国プロ野球では契約年数が公示されるが、Kリーグではクラブと選手の合意の下、非公開とされる事例が少なくない。

Kリーグとしては、契約期間によって発生しうる批判などを考慮してのことだが、あえて秘密にしなくても良いことに、過度に敏感になっているという印象もまた事実である。

“ファン中心”の文化形成へ情報公開は必須

これからはKリーグも閉鎖的な構造を脱しなければ、“ファン中心”の文化を形成することはできない。プロスポーツの核心はファンだ。ファンの知りたいことをただ隠しているだけでは、大衆的なスポーツとしての成長は難しい。

加えて、1年で数回対戦するチーム間でも負傷のニュースを隠したとて、大きな意味があるとは考え難い。

一角では、クラブの自発的な協力が実現しない場合、韓国プロサッカー連盟が負傷者の公開を義務付ける必要があるとの主張もある。メジャーリーグのように、公式に負傷者を登録するシステムが構築したほうが良いという意見だ。

韓国プロサッカー連盟のイ・ジョングォン広報チーム長は、「契約期間の場合は公開の強制が難しいが、負傷者公開の政策は連盟内でも推進できる事案となる。Kリーグがファンの支持を得てより大きな共感帯を生み出すには必要な内容であることは明らかだ」と、負傷の公開に関する必要性を強調した。

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