トロント・ブルージェイズはなぜリュ・ヒョンジンを必要としたのか。それは、トロントのマーク・シャピーロ球団社長のリュ・ヒョンジンへの変わらぬ信頼に表れている。
アメリカのスポーツ専門メディア『THE ATHLETIC』は4月12日(日本時間)、シャピーロ球団社長との深層インタビューを報じた。
シャピーロ球団社長が選任された2015年以来、トロントはチームのリビルディングのプロセスを地道に踏んできた。その頂点に立つのがリュ・ヒョンジンの獲得だった。
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シャピーロ球団社長は「球団の状況と組織の動力を考慮して(リュ・ヒョンジンを)迎え入れた」とし、「私たちは投手陣よりは野手陣に目立つ選手が多い。戦力上のバランスが必要だった」と説明した。
リュ・ヒョンジンは昨季、平均自責点1位(2.32)というタイトルとともにフリーエージェント(FA)市場入りを果たした。
これまであまり財布の紐を緩めなかったトロントは、「4年総額8000万ドル」という天文学的な規模の年俸でリュ・ヒョンジンを獲得した。球団の歴史を見ても、歴代3番目に大きい支出であり、投手の中では最高額だった。
リュ・ヒョンジン効果は、トロントがこうした投資を敢行した究極的な理由だ。
そもそもトロントは、投手陣が強いことでも有名なアメリカンリーグの東部地区に属している。ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス、タンパベイ・レイズなど、しっかりした投手陣たちを基盤に優勝を狙うチームが多く、ポストシーズン進出は容易ではない。
トロントは、ブラディーミル・ゲレーロ・ジュニア、ボー・ビシェット、キャバン・ビジオなど、今後チームを率いる野手の有望株を多く保有している。
反面、投手ではネイト・ピアーソンぐらいだ。トロントは、リュ・ヒョンジンがチームをポストシーズンにまで導いてくれると信じている。彼が投手陣の中心となり、若い選手たちの成長まで促せば、戦力を上方平準化できる。
メジャーリーグの開幕が、新型コロナウイルス感染症で延期されている。開幕投手が有力だったリュ・ヒョンジンも、現在はアメリカで開店休業中だ。
今シーズンを最後に契約が終了するシャピーロ球団社長としては、自ら獲得に動いたリュ・ヒョンジンがどれほど活躍するかが、再契約の変数として働きかねない。
シャピーロ球団社長は「我々は投手FA市場に簡単には近づかない。ビッグゲームのピッチャーを獲得するのは非常に難しい。我々のチームに最も必要だった部分をリュ・ヒョンジンの獲得で埋めた。彼と合意できてとてもうれしかった」と再び強調した。
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