新型コロナウイルス感染症の拡散に対し消極的な姿勢を取る日本にも学ぶべき点があると、韓国紙が注目しているようだ。
現在、2020シーズンのJリーグは第1節だけを消化し、中断を余儀なくされている。
本紙『スポーツソウル』のイ・ヨンス記者は、「新型コロナの事態でも、日本は韓国の10分の1程度の検査にとどまるなど消極的な姿勢を見せ問題視されている。しかし、Jリーグが中断期間にも積極的な広報活動を行っていることは、肯定的な部分と評価される」と伝えた。
現在、Jリーグは5月9日の再開を目標に討議を進めている。再開後は観客数を収容人数の50%に減らすなど、さまざまな方法が講じられているというが、同時に広報面にも神経が使われている。
その中でも本紙のイ記者が注目したのは、3月21日の鹿島アントラーズ対北海道コンサドーレ札幌を皮切りに、Jリーグの放映権を持つ『DAZN』を通じて行われている“練習試合の中継”だ。
Jリーグは関心度の低下を防ぐべく、発想の転換をしたのだ。『DAZN』を積極的に活用してファンにコンテンツを提供し、関心度を落とさないようにしている。
Jリーグのウェブ会見にもイ記者は注目している。“社会的な距離置き”の一環として、対面接触ではなくオンライン上で行われたこの会見は、パソコンの画面に映る選手や監督に向かって、別室の取材陣が質問を投げかけるという形式となっている。
去る3月28日、豊田スタジアムで名古屋グランパスと練習試合を戦った横浜FCの中村俊輔(41)は、「難しい状況だが、(サポーターに)こういう形で見てもらえたのは良かった」と心境を伝えている。
イ記者は「試合だけでなく、インタビューもオンライン形式で行うJリーグは、本来のリーグ進行と変わらぬ形でサッカーファンに楽しみを与えている」と評価した。
韓国のKリーグも3月28日に水原三星、29日に済州ユナイテッドFCと、どちらもオンライン放送を通じてそれぞれの紅白戦を中継した。しかし、現在の韓国内の取材環境は制限的であると言わざるを得ない。
“社会的な距離置き”によって対面取材が困難であり、可能なのはウェブ取材のみ。新型コロナの終息には“社会的な距離置き”が優先されるべきではあるが、KリーグもJリーグのように、取材環境の改善がなされる必要がある。
最後にイ記者は、「今よりもさらに良質なコンテンツをサッカーファンに提供するためには、Jリーグのような発想の転換が必要である」と伝えた。
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