新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、国際オリンピック委員会(IOC)が2020年東京五輪の延期を検討し始めた。この事態に、U-23韓国代表が焦りを見せている。
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オリンピックにおいて、唯一年齢制限を設けている種目が男子サッカー競技だ。
現在適用されている“23歳以下限定”というルールは、1992年バルセロナ五輪から導入された。本選最終エントリーでは、オーバーエイジ枠(24歳以上の選手)を3人までメンバーに加えることができる。
IOCと日本オリンピック委員会(JOC)は、延期を含むあらゆるシナリオを考慮している旨を明かした。『ロイター通信』によると、1カ月もしくは45日、1~2年の延期等が議題にあがると伝えられている。
とはいえ、新型コロナ流行の推移は大陸ごとに差があり、感染症に対する温度差も大きい。短期間の延期では、各国からの同意は得られないだろう。
現在、最も有力な代案としては、1年延期した2021年夏の開催だ。
もちろん、来年7~8月には世界水泳選手権や世界陸上選手権など、メジャースポーツのビッグイベントと日程が重なってしまう。だが、当該種目の競技団体は皆オリンピックの延期を優先する声を上げているため日程調整は十分可能だろう。
問題は、今年、男子サッカーの“23歳以下限定”ルールのボーダーラインに立つ1997年生まれの選手たちだ。
仮に来年への延期が決まれば、1997年生まれの選手たちは、オーバーエイジ枠として選ばれない限りオリンピックの舞台に立つことができない。
特に、オリンピックの出場メンバーに選ばれたU-23韓国代表の選手は、大会でメダルを獲得できた場合、兵役免除の恩恵を受けられる。今回の“東京五輪延期”の事態に敏感になるのも当然だ。
U-23韓国代表率いるキム・ハクボム監督はじめ、スタッフ陣もオリンピック本選に向けた準備を一新せざるを得ない。
去る1月、オリンピック予選を兼ねて行われたU-23アジア選手権で優勝したU-23韓国代表。当時、メンバー23人中11人が満23歳の選手だった。残りは22歳以下の選手たちだ。
現在の22歳以下の選手は、プロチームの2軍で出場機会を確保し経験を積むことができている。その結果、U-23代表にも多くの選手が派遣された形だ。過去には満23歳の選手が7割以上を占めたこともあった。
とはいえ、オリンピック延期が現実となれば、U-23韓国代表は戦力低下が避けられない。
U-23アジア選手権で最優秀選手に選ばれた元アビスパ福岡ウォン・ドゥジェ(22・蔚山現代FC)や、“ジョーカー”の役割を果たしたイ・ドンギョン(22・蔚山現代FC)はじめ、代表メンバーの主力は皆1997年生まれだ。
ただでさえKリーグも新型コロナの影響で開幕延期となっている中、彼らは夢にまで描いたオリンピックの舞台にすら立てないかもしれない。現状に複雑な思いを持つのも当然だ。
ウォン・ドゥジェは、3月23日に本紙『スポーツソウル』とのインタビューで、「(オリンピック出場と関連して)外部の要因なので、僕らはどうすることもできない。自分ができることだけに集中したい」と、自身の心境を明かした。
「新型コロナの事態で、全世界的に危険な状況だ。(オリンピックを)延期するのが正しい」と話すU-23韓国代表の主力右サイドバックであるイ・ユヒョン(23・全南ドラゴンズ)も、「ただ、僕らの究極的な目標はオリンピックだった。一緒に準備してきた過程があるだけに、オリンピックの舞台で輝きたい」と切なる思いを述べた。
IOCが1年延期を決定した場合、男子サッカー競技において1997年生まれの選手を救済する一時的な出場資格年齢の調整がなされる可能性は限りなく低いだろう。
国際サッカー連盟(FIFA)が加盟国の見解を集め、IOCとルールに関する交渉を行うことはできる。だが、兵役免除といった特別なモチベーションが伴う韓国とそれ以外の国では、事情が異なるのもまた事実だ。
つまり、1997年生まれの選手がオリンピックに出場できる道は、2020年中に大会が開幕されるほかにないということだ。果たして、オリンピックは予定通り今夏に開催されるのだろうか。
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