五輪チケット払い戻し不可報道に反応。「明らかに故意で理解できない」

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明らかに故意ではないか。そう思わざるを得ない。ほかでもない東京五輪のチケットが、払い戻し不可という規定のことだ。

東京オリンピック組織委員会が新型コロナウイルスの感染拡大でオリンピックが中止されても、すでに販売済みのチケットに対しては責任を負わない方針であることが確認され、衝撃を与えているのだ。

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日本の朝日新聞は3月18日、東京オリンピック組織委関係者のインタビューを伝え、「7月に開催予定のオリンピックとパラリンピックが新型コロナウイルスでキャンセルされても、チケット代金は払い戻さない方針」と明らかにした。

オリンピックの観戦チケットの購入および利用約款が根拠だという。

約款には「当法人(組織委)が2020東京オリンピック・パラリンピックのチケット規約によって決定された義務を履行できなかった場合、その原因が不可抗力による状況なら責任を負わない」といった内容が明示されている。

不可抗力でオリンピックが中止されたことに責任の所在がないという言葉は一見、理解できる。しかし不可抗力の範囲に含めた内容は、日本が今回のオリンピックを“復興”と規定した理由を示している。

不可抗力を「天災、戦争、暴動、暴動、内乱、テロ、火災、爆発、洪水、盗難、害意などによる損害、ストライキ、立ち入り制限、天候、第三者による差止行為、国防、公衆衛生に関連する緊急事態、国家または地方公共団体の行為または規制など、当法人のコントロールが及ばない諸原因」とまとめている。

組織委の関係者は朝日新聞とのインタビューで「新型コロナウイルスで大会が取り消されれば“公衆衛生関連緊急事態”に当たる」と明らかにしたという。伝染病の拡散は公衆衛生に直結する問題であるため、責任所在から外れることができるという解釈だ。

日本は早ければ7月から台風の被害が発生する。2019年も8月初旬に3つの台風が日本列島を直撃するなど、自然災害が起きる可能性が高い。福島地域は、昨年8月にも震度6.2以上の地震が発生するなど、安心できないところだ。

仮に東京五輪開催中、台風や地震などが起きた場合、天災地変については早期警報システムが整っているが、屋外種目は大会を強行するのが難しい可能性も出てくることもあるだろう。そういったことも念頭に置いた「不可抗力」への備えとして記されているという点では、理解できる。

ただ、そういった天災でもないにもかかわらず、オリンピック組織委はチケットの払い戻しを行わないという方針を固めていたという。

安倍晋三首相

新型コロナウイルスが日本国内で拡散すれば、安倍晋三首相が率いる政府の生ぬるい対応のせいだという指摘が大きい。

韓国は新型コロナウイルス発見初期から広範囲な検査を実施。約1カ月でゴールデンクロス(完治者数が新規感染者数を上回る現象)を引き出した代表的なモデルケースとなった。

日本政府がクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」に対して韓国のように積極的な対応をしていたのなら、少なくとも統制範囲内に入っていただろうという意見も出ている。

新型コロナウイルスが世界的な大流行(パンデミック)に広がる前から、日本が透明かつ明確な防疫対策をまとめて実施していたなら、オリンピック延期または中止論も、大きく浮上しなかった可能性が高い。

日本政府が責任を果たさず問題を放置しておきながら、「公衆衛生関連の緊急事態のためチケットの払い戻しはできない」という一点張りでは、世界的な笑い者に転落するしかない。安倍政府の道徳性の低さが全世界に知られる格好だ。

2019年5月の抽選販売を皮切りに、最近まで計508万枚のチケットが販売されているという。パラリンピックもすでに165万枚が売れた。

チケットの収入だけで約900億円に達しているといわれるが、日本政府はそれでオリンピックの延期または中止による金銭的損害を1000億円ほど補填するつもりなのだろうか。世界的な非常事態にもかかわらず、利益だけは得ようとする安倍政権の対応は理解できない。

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